おひとりさま女子老人が激増し社会問題化

夫が死んだ後も妻が自宅に住み続けることができる、「配偶者居住権」を盛り込んだ民法改正案を、政府が今の国会に提出する。

女性の老後生活の安定が狙いだ。

老人ホームなどに行くと元気なおばあちゃんが目立つ。男性はちょっとしかいないし、いてもしょぼくれてる。

実は今、「おひとりさま女子老人」が増えており社会問題化しているのだ。年金が少なく貧困に陥って、生活保護を受けるケースも増えている。

老人ホームになぜ男性がちょびっとしかいないのかと言うと、もちろん平均寿命が違う。

男性は81歳、女性は87歳。

つまり男性は早く死ぬ。

加えて男性は要介護になっても妻が家で介護してくれるので施設に入らずに死ぬことが出来る。女性はおひとりさまになった後、自分で老後を考えなくてはいけない。
 

 
 
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妻の遺産取り分を3分の2に国民が反対

心配しなくても日本の社会保障システムはしっかりしているので、お金がなくても医療や介護はちゃんと受けられるのでご安心を。

ただ高齢社会が進むと財政を圧迫するので、さらに対策が必要だ。

たとえば年金の充実。国民年金だけだと満額でも月6万5千円。生活保護は10万円位もらえるのでそれより低い。

iDeCoという個人型の確定拠出年金があるが、これの税制優遇をさらに進めというのは如何だろうか。

そもそも相続で、なぜ妻の取り分は半分で、子供と同じなのか。

実は法制審議会は妻の取り分を現行の半分から2/3に増やせという答申を出した。

法務省はパブリックコメントを出して国民に意見を聞いたのだが、なんと反対が相次いだので法改正をやめてしまったのだ。
 

子どもが親にたかる時代になったのか

なぜだろう?

恐らく子供も生活が苦しくて家のローンや教育費で親の遺産を当てにせざるを得ないのだろう。

でも母親の金を取り上げてまで自分の子供をいい学校に行かせたいのだろうか!

今は子供が親の面倒を見る時代ではなく子供が親にたかる時代となってしまったのか。妻の取り分は2/3に上げるべきではないだろうか。

女子の皆さんも「おひとりさまで焼き肉なのー」などと浮かれてばかりいてはダメだ。

年金も15万円位もらえれば何とか生活できるので、素敵なおひとりさま女子老人ライフを過ごせるよう今から準備しては如何だろうか。
 

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。