目や耳が不自由な人たちのために目指す映画のバリアフリー化

Palabra(パラブラ)株式会社 代表取締役社長・山上庄子さん

  • 視聴覚障害者は映画を“当たり前”に楽しめない
  • 字幕ガイドは字幕をせりふに付けるだけではない
  • 「文化芸術分野こそ、すべての人に開かれているべき」

日本国内では年間約2000本の映画が劇場で公開されている。

私たちは好きなときに好きなジャンルの映画を見て、その感動を友人や恋人、家族と分かち合っているだろう。

しかし、そんな共通体験の機会が著しく限られているのが、目や耳が不自由な人たち。

映像と音の芸術である映画のバリアフリー化はこれまで立ち後れていたのだ。

最新のデバイスを使いバリアフリー化

そんな中、山上庄子さんは7年前に視聴覚障害者のための字幕・音声ガイドを制作する会社、Palabra株式会社を立ち上げた。

山上さんは「とにかく映画が好きで、好きなときにフラッと映画館に行って映画を見るのが当たり前なのですが、それが当たり前じゃない人たちもいると知ったのが最初の気付きでした」と話す。

聴覚障害者のための字幕ガイドの制作は、字幕をせりふだけに付けるのではない。

例えば、登場人物が見ているテレビの音声も字幕化し、部屋の電気を付ける音や街中で流れる音楽なども、演出上必要であれば表示していく。

耳の聞こえない人が作品をきちんと理解できる様に、かつ、作品の世界観を邪魔しないようにつけないといけないため、字幕制作者には訓練が必要だ。できあがったら「モニター検討会」を開き、実際に耳の聞こえない人と映画の制作者に作品を見てもらい、分かりにくい点などを確認していく。

この日は、障害当事者から「話者の明示」の要望があった。女性が部屋で電話をかけているシーンで、話し相手の表示が「男性」だけだと、それが電話口の人のセリフなのか、部屋の中にいる人のセリフなのかわからないのだという。

ちょっとしたことでストーリーが追いづらくなってしまうのだ。同様の作業が、視覚障害者のための音声ガイドでも行われる。

さらに、山上さんたちは字幕・音声ガイドを無料で配信できるアプリも開発。

字幕が映るメガネ式端末やスマートフォンに見たい作品のガイドをダウンロードすれば、どこでもリアルタイムで利用できる。障害者だけでなく、視力や聴力が衰えた高齢者や外国人などにも利用者が増えているという。

山上さんは「文化芸術分野こそ、すべての人に開かれているべきだと思います。私たちとしても、それをきちんと実現できるようにしたい」と期待を込めた。

Palabra株式会社
https://palabra-i.co.jp/

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