天皇皇后両陛下は、5月8日、即位後初めてとなる宮中祭祀に臨まれた。

Live News it!では両陛下の古式ゆかしい装束に注目。重要な儀式の時だけ身に着けられる装束には、それぞれの色や模様に深い意味が込められているという。

両陛下が即位後初の宮中祭祀  装束は…

8日午前9時前、着付けなどの準備のため、天皇陛下より先に皇居に到着された皇后雅子さま。

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そして、午前9時50分ごろ、天皇陛下も皇居に到着された。

両陛下は、即位後初の宮中祭祀となる「期日奉告の儀」に臨まれた。

(しゃく)」を手にした陛下は、黒い「垂纓冠(すいえいのかんむり)」を頭にかぶり、天皇だけが着用を許される「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」という古式ゆかしい装束。

三種の神器の剣と勾玉を携えた侍従を伴い、天皇陛下は厳かな表情で天照大神をまつる賢所に進み、拝礼された。

その後、皇后さまも女官を伴い、約17年ぶりに賢所を拝礼された。

皇后さまは御垂髪(おすべらかし)に結った髪に「釵子(さいし)」と呼ばれる金色のかんざしをさし、萌葱(もえぎ)色(いろ)の「小桂(こうちぎ)」と呼ばれる上着、「五衣(いつつぎぬ)」という5枚重ねの衣という、古式ゆかしい装束をまとわれていた。

天皇陛下は、8日の祭祀で、皇室継承の重要な儀式
即位礼正殿の儀」を10月22日に、
大嘗祭」を11月14日と15日に行うと報告された。

「即位礼正殿の儀」とは、天皇が国の内外に即位を宣言する儀式。

「大嘗祭」は、天皇が即位後初めて五穀豊穣と国の平安を願う祭祀だ。

装束の色使いに込められた意味

この日のために新調されたという、両陛下の古式ゆかしい装束。
その色使いには、深い意味が込められているという。

有職文化研究所・仙石宗久代表:
 (陛下の装束は)「黄櫨染(こうろぜん)」という染めで、一番高く上がった時の太陽の色だと昔から言われている。

また、皇后さまがまとわれた小桂をよく見ると萌葱色と紫色を重ねている。
これは「松襲(まつがさね)」と呼ばれる、おめでたい色使いだという。

8日午後には、大嘗祭などの日程を伊勢神宮などへ奉告する天皇の遣い=勅使を派遣される「勅使発遣の儀」が行われた。

(「Live News it!」5月8日放送より)