愛され続け300年…秋の訪れを告げる「盛岡秋まつり」 伝統の山車と“音頭上げ”を次世代へ 時代を映す祭りの歴史
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愛され続け300年…秋の訪れを告げる「盛岡秋まつり」 伝統の山車と“音頭上げ”を次世代へ 時代を映す祭りの歴史

岩手めんこいテレビ
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女性だけの山車、震災の年には消防団を招待

岩手県盛岡市に秋の訪れを告げる「盛岡秋まつり」。

南部藩の街づくりの完了を祝い、若者たちが城下を練り歩いたことが起源とされ、毎年、地元の消防団などが歴史の名場面や昔話の登場人物を表した豪華絢爛な山車とともに町中を回る。

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この30年間、盛岡秋まつりでは様々な出来事があった。笛を吹くのも、太鼓を叩くのも、山車を引くのも、全て女性。1995年、史上初めて女性だけの山車が運行された。

さらに2005年には、祭りの行事の一つ「流鏑馬」に女性が初出場。

流鏑馬をした・上村鮎子さん(2005年):
お客さまも八幡宮の方も温かく見守ってくださり、とても幸せだった

東日本大震災が発生した2011年には、宮古市の消防団を祭りに招待した。山車には「元気岩手」と書かれた旗が掲げられ、沿道からも温かいメッセージが送られた。

見物客(2011年):
泣きながら宮古の消防団が行進していて(気持ちが)伝わってきた

祭りの寄付への感謝の気持ちを込め歌い上げる「音頭上げ」に、外国人が挑戦したこともあった。アメリカ出身のダニエル・デグラスさんは、2008年と2012年の2回、見事な音頭上げを見せた。

ダニエル・デグラスさん(2012年):
また参加できてとても嬉しいです。4年間の間に結構練習したので、ずいぶん良くなったと思う

伝統「音頭上げ」を次世代に…露店の駄菓子も

この祭りなどでの音頭上げを70年続けてきた伊藤吉之助さん(当時80)。

伊藤吉之助さん(1997年):
いまだにまだ満足にならない。お客さんを「わー」と沸かせ、心から手を叩いてもらうのが私の最終目標

この伝統を後世に伝えようと、1985年に音頭上げの研究会「盛岡山車音頭研究会」を設立した。

その教えを受けていたうちの1人が、本多幸夫さん(79)。鍛錬の末、現在は力強い声をものにし、伊藤さんが亡くなってからは研究会の副会長になった。

本多幸夫さん:
はじめは緊張しました。持っている扇子も震えた。(今はお客さんの)喜んでいるのを見て、それがやみつきになっている

新型コロナウイルスの影響による活動休止前までは、月に2回の練習会で約30人の会員に対し指導を担当した。今度は自身が、音頭上げという文化の継承役を担う。

本多幸夫さん:
自分がやってきたことは、間違いないと思っているので、引き継いでみなさんに広めていったらいいんじゃないかと思ってやっている

一方、紫波町の製菓会社の代表・村上秀夫さん(当時77)は40年以上、盛岡秋まつりをはじめとした県内の祭りで露店を出してきた。

村上製菓代表・村上秀夫さん(2004年):
「露店」があっての「祭り」、「祭り」があっての「露店」。祭りはこういうものだと楽しんでほしいと思う

娘のえり子さん(68)は、秀夫さんが亡くなったあと菓子作りを引き継ぎ、秋まつりでの露店も続けている。これまで露店では駄菓子の販売をしてきたが、最近では秋祭りの風流山車がプリントされた南部せんべいも新たな商品に加えた。

村上製菓・村上えり子さん:
お客さんと色々なお話をして、うれしそうな顔をされると「ありがたいな(露店を)続けていかなきゃな」ということにつながる

大正時代の山車は今の2倍の大きさ

盛岡秋まつりの何が魅力なのか、4年前に個人で祭りのギャラリーを開設した盛岡山車推進会の鈴木正男会長(83)に話を聞いた。

盛岡山車推進会・鈴木正男さん:
(山車から)笛や太鼓の音が鳴ると、どうしても体がそっちに向いてしまう。山車は盛岡市民の心のよりどころ

鈴木さんが保管している資料の中には、大正時代の山車の写真もある。形や大きさは今とほとんど一緒だという。

滝澤悠希アナウンサー:
こちらのギャラリーには明治時代の山車を再現した模型も飾られていますが、今よりも高さがある印象です

その値は約9メートルと現在の2倍。当時は、電線がなかったため、これだけ高い山車を運行していたという。

山車の姿は変わったが、地域のにぎわいにつなげたいという祭りの意義は、変わらず受け継がれている。

盛岡山車推進会・鈴木正男さん:
参加した人たちが(絆で)結ばれるのが一番いいと思っている。(来年はいつも通り)祭りがあって、地域の活性化になるということを願っています

多くの人に愛されながら300年を歩んできた「盛岡秋まつり」。さらなる歴史を築くため、再び町中に祭りの音が響き渡る日が待ち望まれる。

(岩手めんこいテレビ)

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