食の雑誌「dancyu」の元編集長・植野広生さんが求め続ける、ずっと食べ続けたい“日本一ふつうで美味しい”レシピ。
植野さんが紹介するのは「海鮮おかゆ」。
秋葉原にある町中華「味の萬楽」を訪れ、魚介の香りとスープのうま味が米の一粒一粒に染み込んだ、店の看板メニューを紹介。4代目女性店主が一人で切り盛りする愛される店づくりにも迫る。
ラーメンとおかゆが看板の町中華
植野さんがやってきたのは、JR秋葉原駅から徒歩6分の場所。植野さんは「角にあって赤と白が目立ちますね」と話し店内へと向かう。

のれんを掲げること実に113年、都内屈指の老舗町中華「味の萬楽」。カウンター8席とテーブル席が1つのこじんまりとした店内で腕を振るうのが、4代目店主の古室真由実さんだ。

「ラーメン」と「おかゆ」、この2つがお店の看板メニューという、ちょっと珍しい町中華。
常連客は「今日はチャーシュー麺。ラーメンのスープもあっさりしていて二日酔いに効く」 「気取らないお店なのでそれが入りやすい理由だと思う。“いってらっしゃーい”とか声掛けが良い」とのこと。
店主のあたたかく気さくな人柄にもファンが多い、長く長く愛されてきた店なのだ。
ワンオペ店主の疲れを癒す子供達
店を開いたのは、古室さんのひいおばあさんトノさん。そこから祖母、父へと代々店は受け継がれていった。
15年ほど前から店を継いだ真由実さんは「最初から店を継ぐつもりでいました」と話す。家業ののれんを守るため、さまざまなジャンルの店で修業を重ね、2010年に4代目となった。

植野さんが「調理も片付けも全部、一人でやってくのは大変じゃないですか?」と心配すると、「物理的には大変ですけど、大丈夫です」と真由実さん。毎日一人で切り盛りしていく上で励みになることが「ただいま」「ラーメン好き、美味しい」と店に立ち寄る子供達の姿。
さらに近所の小学生からプレゼントされたものも大事にしているという。常連はもちろん、地元の子ども達にも愛される店だ。

本日のお目当て、味の萬楽の「海鮮おかゆ」。
一口食べた植野さんは「米粒を感じつつトロけた感じの食感が良い」と感動していた。
味の萬楽「海鮮おかゆ」のレシピを紹介する。