地元後援会をめぐり問題が生じている寺田総務大臣。国会で野党側が辞任するよう求めたが、自民党内からも“辞任論”が浮上した。

さらに訂正はあるのか?「確約できない」

地元後援会の収支報告書をめぐり、自身が貸し付けた600万円の記載漏れを指摘された寺田総務大臣。

寺田 稔総務相:
私に対する600万円の返済がなされておりますので、当然それは記載すべきものであると思っております。

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11月8日の国会で「本来であれば記載すべきものだった」として経緯を確認中と釈明した。

岸田総理と同じ広島県選出で岸田派に所属する寺田大臣。入閣前は、総理補佐官を務めるなど、側近の1人として知られている。

しかし、8月に初入閣した後は、関係する政治団体の脱税疑惑などが相次いで発覚。
野党側は辞任を求め厳しく追及した。

立憲民主党・後藤祐一議員:
(これまで)4回の収支報告書の訂正、もうこれ以上ないということでいいですね?

寺田 稔総務相:
(後援会は)私が直接ですね、チェックすべき立場でもありませんし、(今後)事務的ミスが絶対ないとは申し上げられませんが、そこは何とも言いませんが、もちろん事務的ミスがあればきちんと訂正をさせていただきます。

立憲民主党・後藤祐一議員:
まだあるってことですか?大臣。

寺田 稔総務相:
私自身がチェックしておりません。収支報告書を見てないのでわかりません。それは正直言って、そりゃ私も見てないものをですね、確約することはできないわけでございますが。

立憲民主党・後藤祐一議員:
どこかで見た光景ですね、これ、この場で山際元大臣と同じじゃないですか、大臣。「もうこれ以上ありませんね?」って聞いたら「あるかもしれない」と、しかも山際元大臣よりタチ悪いのは、総務大臣なんですよ。政治資金規正法を所管する大臣なんですよ。

さらに11月8日、新たに関係する政治団体が「領収書を偽造していた疑いがある」との一部報道が出た。

寺田 稔総務相:
私自身、その領収書を見てもおりませんし、収支報告自体、私たちチェックする立場にないので、いずれにしてもですね、確認をさせてもらいます。

立憲民主党・後藤祐一議員:
政治資金規正法を所管する総務大臣、辞めるべきだと思いますが、いかがですか?

寺田 稔総務相:
しっかりと職責を果たしてまいります。

辞任を要求した野党に対し、引き続き職責を果たす考えを強調した寺田大臣。
記者の「政治資金収支報告書について追及が続いているが、どのように説明を果たしていく考えか?」という問いには無言だった。

自民党内からも「答弁が苦しい」

与党内からも厳しい声が出始めている。

公明党・山口代表:
まずはご本人が判断することであり、また内閣としてどう取り組むかということにかかっておりますので、寺田総務相にはやはりこれまでのことを踏まえて、しっかり対応するという自らの姿勢を、説明を尽くした上ではっきりさせていくべきだと思います。

自民党中堅議員からは「実際に地元からも『大臣として恥ずかしい、辞任すべきだ』って声が出始めている」。

岸田派・閣僚経験者からは「答弁を聞いても苦しさが伝わってくる。でも辞めさせるにしろ、それで支持率が回復するとは限らない。山際大臣の時もあまり効果がなかった。進退ここに窮まれど動けず、だね」などと、ついに自民党内からも寺田大臣の辞任論が浮上した。

支持率低下にあえぐ岸田政権がまたしても正念場を迎えている。

(「イット!」11月8日放送より)