やはり最多は家庭内感染

「今週は複数の病院、高齢者施設、大学の運動部の寮、職場など様々な場所でのクラスターの発生が報告された」

10月29日に開かれた東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議では、感染状況について深刻度が上から2番目の「感染の再拡大に警戒が必要であると思われる」に据え置いた上で、「手洗い・マスクの着用・3密を避ける」など基本的対策の徹底が求められた。

感染経路は依然、家庭内感染が最も多く、先週とほぼ同じ36.0%で、次がこれも先週と変わらず高齢者施設や学校などの施設内が21.2%、職場での感染が先週より増えて15.5%になっている。

マスクもせず着替えると…

そして、複数のクラスターが発生している大学の運動部について、国立国際医療研究センターの大曲貴夫センター長は「大学関係者は授業の時の感染対策など、ものすごく細心の注意をして行っておられますし、これクラスターという話が出ているとは聞いていません」と前置きした上で、「部活動にしても、屋外で離れて運動しているぶんにはいいんだと思います。ただ、それが着替えをしたりとか、着替えの場は喋ったり、マスクもせず着替えをすれば当然リスクが高いんだと思います。誰か1人いればうつります」と指摘。

国立国際医療研究センターの大曲貴夫センター長
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そして、「部活動のあとにみんなで食事、そういう場が3密になりやすい」とも指摘。

着替えや食事の場など、ほっとして気が緩むところでのリスクに注意が必要なことが改めて浮き彫りとなった。

唾液検査で都外から

一方、唾液検査ができるようになったことで、こんな変化も。

「都外居住者が自己採取し郵送した検体を、都内医療機関で検査した結果、陽性者として都内の保健所へ発生届を出す例が散見されるようになった」

つまり、都外の人が自分で唾液を採って都内医療機関に送って検査してもらう、ということだ。こういう人が、今週だけで40人いたそうだが、この40人は都民ではないため新規感染者から除いて分析・評価したという。

医療従事者からの相談が再度増加

医療体制については、医療機関の負担が重い状態が続いている、とした上で「重症患者数が再び増加しており、今後の推移と通常の医療体制への影響に警戒が必要である」と、上から2番目の「体制強化が必要」に据え置いた。

10月29日に行われた東京都モニタリング会議の様子

今、医療関係者はどのような状況なのか、東京都医師会の猪口正孝副会長に尋ねた。

「精神的にも相当疲れています。自分が原因で病院の中に院内感染を起こしてはいけないとか、家族にうつしてはいけないとか、すごいプレッシャーの中でやっているんですね」

猪口副会長いわく、第1波の途中、ストレスによって職員たちからの悩み相談や離職が増えた時期があったという。それが一度収まったものの、8月~10月にかけて、再びそういった相談件数も増えてきている傾向にあるとのことだった。

さらに「マスクを一日中着けている病棟では、看護師さんたちがマスク皮膚炎で顔がものすごくあれていたり。長期化しているというのは、なんとかやれていても、なかなかプレッシャーが…」

医療現場は、今の感染状況と同じく“ギリギリの状態で踏みとどまっている”というところだろうか。

「新型コロナウイルスは、『隙あらば』というような相手ではないか、と思う」

医療従事者に負担が続いていることを懸念しながら、こう述べた小池知事。

モニタリング会議で発言する小池百合子都知事

大変なストレスとプレッシャーにさらされる医療従事者負担の軽減と医療崩壊を防ぐために、改めて一人一人が「自分でできる感染予防対策」を徹底することが求められているのではないだろうか。

(執筆:フジテレビ社会部 都庁担当 小川美那)