2月8日投開票の衆院選を前に、急浮上した争点の一つが「食料品の消費税減税」だ。
高市早苗総理は衆議院解散を表明した翌日の1月20日、自民党の幹部会合で「短期決戦になるが、党一丸となって勝利を収めたい」と述べた。
■「なぜ今?」批判される高市総理の姿勢の「ブレ」
注目されているのは、高市総理の消費税に関する姿勢の変化だ。
高市総理は19日の会見で「飲食料品の消費税率2年間ゼロの実現に向けた検討を加速する」と表明した。
しかし、高市総理は就任前「国の品格として食料品の消費税率は0%にするべきだ」と主張していたものの、総理就任後には「日本の遅れたPOSレジシステムのせいで、(システム改修に)1年もしくはそれ以上かかる」と述べ、消極的な姿勢に転じていた。
その後、今回の解散表明と同時に再び減税へと姿勢を転換したのだ。
立憲民主党と公明党が立ち上げた新党「中道改革連合」は「食料品の消費税率を恒久的にゼロにする」と主張。
立憲民主党の野田佳彦代表は高市総理の姿勢を「なぜ今なのかと。消費税に関する発言がブレすぎてますね」と批判している。

■家計への影響と市民の受け止め
実際にカレー材料をスーパーで購入したところ、1900円のうち140円が消費税分だった。
この消費税分がゼロになった場合の家計への影響について、市民からは様々な声が聞かれた。
60代・4人家族:大変助かります。4500円買って…(消費税は)380円。つもり重なったら大きいですよね。
30代・4人家族:安くなるのは助かるけど、2年限定やったり、将来的なことまで考えると手放しで喜んでいいか分からない。
30代・3人家族:(消費税減税)もそうやし、物価自体を下げてくれたら。
投票行動への影響を問われた30代の方は「そりゃそうですね。材料としてはそういうところみる」と回答。
一方で80代の方からは「なぜ今とかそういう部分が強いので、消費税うんぬんは大きくないかな」との声も聞かれた。

■現場のスーパーの期待
客を迎えるスーパーでは「食料品の消費税ゼロ」に期待を寄せている。
フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長:おうちでごはん食べる機会が増えるのではないかなと思うので、私たちスーパーへのご来店も増えると思う。消費税なくなったことで喜んで買い物していただける環境を整えたいと思います。

■システム改修に1年はかかる?
一方で、消費税率変更に伴うレジ改修の課題も浮き彫りになっている。神戸市垂水区にある小売店向け手打ちレジの販売・サポート会社では、実際に消費税をゼロパーセントに設定してみる実演を行った。
東和トラストジャパン 追立剛代表取締役:こういった”ガチャレジ”といわれるものは、世の中にはまだまだ普及していますので、サポートさせていただいております。
2019年の軽減税率に対応した機種では数分で設定が完了する一方、「マンパワーで設定する必要あるレジスターですと、電話対応であったり、サービスマンが現地に行って設定する必要ある。日用品を混在して扱っている店舗は、時間・手間はかなり力をそそがないといけないと感じている」と追立氏は指摘している。

■各党の消費税政策の違い
衆院選を前に各党の消費税に関する政策も注目されている。
・自民・維新:2年限り食料品0%、検討を加速
・中道:恒久的に食料品0%
・国民:時限的に一律5%
・れいわ:廃止
・共産:一律5%、その後廃止
・参政:段階的廃止
・保守:恒久的に食料品0%
・社民:恒久的に食料品0%
・みらい:減税に慎重
番組コメンテーターの亀井正貴弁護士は「各党、消費税を廃止するか、もしくはパーセンテージを下げるか、もしくは時限的に下げていくかという点では、一致しているが、各党の案がバラバラ。一致してるわけじゃない。自民と維新が圧倒的多数を取れば別ですけども、そうじゃない場合に、消費税の減税等は本当に実現するんだろうか。政局における単なる論点にしか過ぎないんじゃないか」との見方を示した。

また、政策研究大学院大学の安田洋祐教授は、食料品に限定した消費税ゼロについては「すでに軽減税率が入ってるので、どの項目を0%にするかという線引きはもう終わってる」と実現可能性を指摘した一方で、「2年たって税率元に戻しましょうとなった時に、『戻してほしくない』となった時に、果たして与党が2年間で終わりにできるか」と、課題も挙げた。
選挙戦において争点となる食料品の消費税減税。
システム対応の課題や財源問題を乗り越え、本当に実現するのだろうか。
(関西テレビ「newsランナー」2026年1月20日放送)

