北海道日高町の飲食店の壁から女性の遺体が見つかった事件。
逮捕された男は、店内に遺体を隠したまま営業していたとみられます。
発覚のリスクがある中、どのような心理状態で行動に及んだのでしょうか。
カウンター越しに、にこやかに手を振る男。
このバーの経営者の松倉俊彦容疑者です。
事件発覚のきっかけは、1月1日に「20代女性と連絡がとれない」と寄せられた警察への相談でした。
行方不明になっていたのは日高町に住む看護師の工藤日菜野さんです。
警察の捜査で知人の松倉容疑者が浮上。
1月10日に経営するバーの壁の中から工藤さんの遺体を発見し、死体遺棄の疑いで逮捕しました。
「シャッターが閉まっていて、店舗がある2階の窓からも中の様子をうかがうことができません」(東木場緋香記者)
バーは国道沿いの建物の2階にあり、扉を開けるとすぐにカウンターと複数のボックス席があります。
さらに奥に進むとダーツのコーナーもあります。
アプリの口コミでは「値段が安くて雰囲気のよい空間」という評価も寄せられていました。
ダーツマシーンの左横にある扉の奥。
ここが事件の現場です。
警察によりますと、この扉を開けるとそこは物置スペースになっていました。
一角に縦横40センチの穴が開いていて、その奥に工藤さんの遺体が隠されていました。
広さは畳1畳分ほどのスペースです。
穴はベニヤ板のようなものでふさがれていました。
松倉容疑者を知る地元の人は。
「すごくびっくりしたし、ショック。本当に慕ってる人は『え、まじ?」みたいな反応だった」
「おとなしい感じでした。まさかね、こんな田舎で…」(いずれも松倉容疑者を知る地元の住民)
遺体で発見された工藤さんは、どのような人物だったのでしょうか。
平取町の高校から北見市の大学へ進学し、2025年7月から平取町の病院で看護師として働き始めました。
関係者によりますと、松倉容疑者のバーの常連客だったといいます。
工藤さんは狩猟に興味があり、狩猟免許を持つ松倉容疑者と交流を深めていったのではないかということです。
「しっかりした子。だらしないところはなくて、ちゃんとした子。痛ましい。年齢が若いのに、なんでという感じがします」(工藤さんを知る人)
年末から年始にかけての工藤さんの様子もわかってきました。
捜査関係者によると12月30日、工藤さんは祖母に「12月31日は彼氏とゆっくりと過ごす。1月1日は仕事に行く」と告げたといいます。
翌日の31日午後4時ごろには、自宅近くで買い物をする姿が防犯カメラで確認されています。
しかし、出勤予定だった1月1日に勤務先の病院には現れず、10日に遺体で発見されたのです。
この間に驚くべきことが。
松倉容疑者は1月2日から新年のバーの営業を始め、たこ焼きパーティーをしていました。
この時、店内にはすでに工藤さんの遺体が隠されていたとみられます。
なぜ、発見されるリスクを冒してまで店を営業したのでしょうか。
猟奇的で無謀と思われるような行動の背景について、犯罪心理学に詳しい専門家は。
「平静を装うということが、本人にとって大事だった。そこで何かが起きているから休んでいるのではと推測されるのが怖いから、通常と同じような生活を営んだ」(東京未来大学 出口保行教授)
工藤さんの死因はロープのようなもので首を絞められたことによる窒息でした。
警察は工藤さんの交際相手が松倉容疑者だったのか慎重に調べるとともに、死亡した経緯を詳しく調べています。