備えの基本を押さえて防災力アップを目指す「備えのツボ」。阪神・淡路大震災の追悼の日に合わせて考えたいのが、次の巨大地震への備えです。
2024年の元日、北陸を襲った能登半島地震。阪神・淡路大震災と同じ最大震度は7で、6500を超える家屋が全壊しました。
2026年1月6日には島根を震源とする最大震度5強の地震が発生し、岡山・香川でも震度4を観測しました。地震は、いつどこで起きてもおかしくない災害です。
(森下花音アナウンサー)
「年々懸念が強まるのはマグニチュード8から9程度の南海トラフ巨大地震です。駿河湾から日向灘沖のプレート境界を震源域とする「海溝型」と呼ばれる地震で、海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込む境界で蓄積されたひずみが跳ね上がることで発生します」
最新の予測によると、今後30年以内に発生する確率は60%から90%程度以上(2025年9月の政府の地震調査委員会)。最悪のケースだと、全国149の市町村で最大震度7の揺れが襲い、高知では最大約34メートルの大津波が予測されています(令和7年3月31日の内閣府調査)。
岡山・香川ではどのような被害が想定されるでしょうか。
国の予測をもとに県が行った最新の調査(岡山:平成25年7月 香川:令和7年9月)によると、最大震度は観音寺市、東かがわ市、三豊市で7。香川のその他の地域と岡山市南区では6強。その他の岡山市や倉敷市の市街地などは6弱となっています。
揺れが襲ったあと間もなく発生するのが津波です。四国地方の太平洋沿岸域から紀伊水道、豊後水道を通じて瀬戸内海に侵入、地震発生後約1時間で第1波が徳島の鳴門海峡を通過し、東かがわ市に到達します。
波の高さは最大で高松市・さぬき市で4.2メートル。笠岡市でも最大3.4メートルの津波が到達する見込みです(満潮位・地盤沈降考慮)。
揺れによる建物の全壊数は岡山で約4700棟、香川で約3万1000棟。火災による建物の焼失数は、出火件数が最も多くなる冬の夕方に発災した場合、岡山で約3900棟、香川で約1100棟。
この地震による直接死の数は最大で、岡山で約3100人、香川で約5500人。当然、断水や停電、携帯電話の通信被害なども想定されます。
また、瀬戸内海特有の懸念もあります。
(香川大学地域強靭化研究センター 磯打千雅子特命准教授)
「瀬戸内海で怖いのは、沿岸部の液状化」
液状化は、地震の強い揺れによって地盤が液体のようにドロドロになる現象です。赤い部分は液状化の危険度が極めて高いとされるエリア。岡山は南部を中心に、香川は比較的全域で予想されています。岡山では約1000棟、香川では約3800棟の建物が液状化によって全壊すると見込まれています。
(香川大学地域強靭化研究センター 磯打千雅子特命准教授)
「避難経路も複数見つけてほしい」
当然、断水や停電、携帯電話の通信被害なども想定されます。
私たちの命を脅かす南海トラフ巨大地震。被害を最小限に抑えるために導入されているのが発生の可能性が高まった際、気象庁が発表する「南海トラフ地震臨時情報」です。
(岡山地方気象台南海トラフ地震防災官 内藤宏人さん)
「南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震が発生したときに「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」という形で発表する。その後、専門家の意見も聞きながらその地震を分析した結果、「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」のいずれか三つの情報が発表される」
「巨大地震警戒」の場合、2週間、日頃からの備えを再確認。また、津波からの避難が間に合わない地域は1週間の事前避難を。「巨大地震注意」の場合、1週間、日頃からの備えを再確認。期間を過ぎた後も引き続き地震の発生に注意しながら過ごす必要があります。
(岡山地方気象台南海トラフ地震防災官 内藤宏人さん)
「これは決して予知の情報ではない。南海トラフ地震臨時情報が出た時に 改めて備えの確認をして、一歩でも防災力をアップするということが この情報を発表する意図でもある」
そこで、押さえてほしい備えのツボはこちら。
「最新情報をもとに地震への備えを今一度」
今後必ず起こる南海トラフ巨大地震。命を守る意識を高めましょう。