秋田市の製紙工場に紙の原料にもなるスギの木の種を取る施設が完成し、16日、関係者などにお披露目されました。
秋田市の日本製紙秋田工場に新たに完成したのは、スギの種を取る施設です。その規模は国内最大級で、1年で苗木160万本分の種を取ることができます。
このスギは、ただのスギではありません。
竹島知郁アナウンサー:
「このスペースには、一棟で200本の、種を取るスギの木が植えられています。エリートツリーと言って、スギよりも1.5倍ほど成長が早く、うれしいことに花粉の量が半分以下になるということです」
「エリートツリー」は国が品種改良で開発したもので、従来の品種よりも早く成長するため、伐採まで50年ほどかかっていたものが30年で済むほか、雑草の除去の回数も少なく、導入が進めば林業の効率化が期待されます。
施設ではエリートツリー同士が交配するよう、スギの花粉が飛ぶ2月と3月は閉鎖し、交配した種は県内の生産者が苗木まで育て、北東北3県や山形県などで植えられます。
国は、エリートツリーの割合を2050年までに9割以上に引き上げることを目標にしていて、秋田で育てられた種が東北の新たな山をつくります。
東北森林管理局・箕輪富男局長:
「エリートツリーは成長が良く、花粉も少ないので、今後の山づくりにとって欠かせない品種。これを山に植えることによって、特に秋田はスギの国なので、このスギの苗木を供給することで新しい秋田の林業が進む」
日本製紙にとってもエリートツリーが広く植えられることで、紙の原料となるチップを安定的に確保できます。
日本製紙・高橋正人秋田工場長:
「今までは古紙の循環だったが、今後は木材チップの循環もできる。工場としてはこの採種園に非常に期待している」
スギの木の種は、秋に地元の生産者に渡され、2027年以降、苗木が各地に出荷されます。