15日、急転直下の「新党結成」で合意した、立憲民主党と公明党。

2月に行われる見通しの次の衆院選に向け、両党の衆院議員は離党して新党に参加。一方、参院議員や地方議員は、立憲と公明それぞれの党に当面残るとしています。
さらに、公明出身者は小選挙区から撤退。比例代表については、両党出身の候補者を同じ名簿に載せる「統一名簿方式」で戦うということです。

両党の代表が何度も強調したのは、「中道」という言葉。

立憲民主党 野田佳彦代表:
「中道勢力」を、まさに政治のど真ん中に位置づけられるチャンスだと。
勇ましいことばかりいう政治に対抗して、国民生活に根ざしたことをしっかり訴えていく「中道勢力」というのは、まさに今、日本にとって大事だと。

公明党 斉藤鉄夫代表:
今回、「中道主義の塊を作っていく一歩」だと、スタートだとこのように思っております。異なる意見を聞き、合意形成を図っていく。粘り強い対話で合意形成を図る、そういう政治手法。

かつては選挙の中で立憲民主を「敵」と表現したこともある公明党。なぜ今回、“協力相手”として立憲民主党を選んだのでしょうか。
フジテレビの高田圭太政治部長は、その理由のひとつに、かつて手を組んでいた自民党の動きが関係しているのではないかといいます。

フジテレビ 高田圭太政治部長:
公明が立憲民主党と新党結成という思い切った行動に出た背景には、高市政権に“ケンカを売られてき続けた”という思いがある。今回の解散の前に、自民党側が斉藤代表のところも含め、公明党の現職議員がいるところに対抗馬を立てるという動きに出てきました。
急すぎる新党結成宣言に対して、党内部からも一部批判の声が挙がっています。

立憲民主党 藤原規眞衆院議員:
党の存亡に関わる内容であるにもかからわず、本当にごく一部の方で決められたと。「民主」と名のつく政党の面汚しだと私は思います。
「中道」を打ち出した新党は、自民党の対立軸となるのでしょうか。
期待と不安…選挙を占う“カギ”は?
谷原章介キャスター:
一気に選挙協力から新党結成まで来て、でも新党結成と言いつつ、明らかに斉藤代表も野田代表も、準備が追いついていないというか、スピード感に巻き込まれてとりあえずそういう形を作るという方向に行ったのかなと思ってしまいました。

結成する新党の名称について、「中道改革連合」とする方針を固めた立憲民主党と公明党。この政党名に込められた意味について高田政治部長は…。

フジテレビ 高田圭太政治部長:
(政党名)この意味合いについて、「中道」というのは現実主義なんだと、「改革」というのは前向きに進めていく、幻想なき理想主義を体現する言葉だと、そして「連合」という言葉はさらにこの動きを固めていくという意味合いが込められているそうです。
――衆院議員は新党に、参院議員・地方議員はそのままそれぞれの政党に残るなど、複雑化していますが、これはなぜ?
フジテレビ 高田圭太政治部長:
そこはまだ段階を踏まなくてはいけないというのと、今回の急な解散で早めにやらなくてはいけなくなったと。その辺りのことについて、立憲・公明の新党関係者は「右傾化の中で中道の塊を作らないと日本が危ない」という危機感が以前からあり、「満を持してのこと、選挙目当ての急ごしらえではない」と話しています。
当然、高市さんの早めの解散によって急がなくてはいけなくなったという点はあると思いますが、高市さんが総裁になったところから動きだしていて、自民党の一部とも一緒に連携してやらないかと、そういう塊を作ろうという動きの中で今回顕在化したと。
谷原章介キャスター:
かつての民主党と自民党時代みたいな、二大政党制を目指してこれを準備していたと?

フジテレビ 高田圭太政治部長:
そういうことになりますね。今の小選挙区制度を前提にすると、それがいいのではないかという思いがあったようです。

慶應義塾大学 総合政策学部教授 中室牧子氏:
目の前の選挙の協力とか、選挙の戦略というものを超えて、国民にどういうメリット、デメリットがあるのかということを改めて考えてみますと、公明党というのは福祉とか子育ての分野で非常に強い政党で、立憲民主党というのは行政改革だったり労働格差の問題に非常に強い政党なので、この2つが合体すると、より我々の生活に近い部分、生活改善みたいなところを全面に出した政策的論争が期待できるのじゃないかなと思います。
その一方で、立憲と公明は、安保とか憲法とか原発で考え方が違うと、それだけではなくて、経済学者の私から見ると、財政感覚や財政政策についてもかなり隔たりがあるように見受けられます。ここを曖昧にしてしまうと、「中道」という言葉だけが先行して、分かりにくいというふうに思われてしまうリスクはあると思います。

谷原章介キャスター:
ここのところの流れって、国民の考え方に多様性が出てきて、その多様性を表すように小さな党がいっぱい乱立して、それが集合してひとつの政権を作るという流れになっている、どんどんヨーロッパっぽい多党連合になっていく動きがあったじゃないですか。その動きと逆行しているように思えるのですが。

スペシャルキャスター カズレーザー氏:
ただやっぱり多党連合だと、どうしても政治のスピード感は遅れてしまうというのがありますよね。そこをどれだけ抜けられるか。
でもやっぱり、ここで急に新しい党を結成するというのは、ポジティブなイメージはつかないなと思うのですが…、それだけ何も分かっていない状況でこれだけ大々的に取り上げてもらっている、我々が“注目せざるを得ない”のは一個の政治手法としてありなのかな…。

フジテレビ 高田圭太政治部長:
今回の選挙、仮に新党の勝敗を占うとしたら、現役世代にも刺さる政策・改革というものをしっかりと打ち出せるかどうか。それによって高市首相は支持するけど自民党は支持しないという人たちの票を取り込めるかだと思うので、そこのメッセージの出し方。
ひとつは「暮らしの底上げ」というのをポイントにしたいということなんですが、それがわかりやすい形で、現役世代に「これは夢があるな」と思うようなものを打ち出せるかどうかですが、今のところネットでは厳しい意見も多いです。
なかなか「中道」だとわかりにくい中で、この政策は夢があるな、自分の将来がよくなるなと思えるものを示せるかだと思います。
(「サン!シャイン」 1月16日放送)
