“映え”などが求められるSNSとは対照的に、ありのままの生活を記録した日記が、いま静かな人気を集めています。一般の人が書いた日記だけを集めた即売会には、共感を求める多くの来場者が訪れました。

■一般の人が書いた日記を“楽しみ”に…本の即売会『日記祭』

東京都世田谷区で11月30日、本の即売会『日記祭』が開かれました。売られているのは全て日記で、一般の人たちのものがほとんどです。

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実は、こうした日記を楽しみにしている人も少なくありません。

客:
「劇的なドラマが起こらないのがいい。日記ってその人のことをすごく知れるというか。知らない人なのに、なぜか私もその人の恋愛とか悩みとかを一緒に追えている」

別の客:
「SNSはどちらかというと自己プロデュースみたいなところがあると思うんですけど、日記はそこまで飾り過ぎないところも見せてくれる」

■劇的な展開がないからこそ、リアルな人生が見えてくる

主催者は、愛知県津島市出身の栗本凌太郎さん(28)。古今東西の「日記本」などを集めた日記専門店の店長です。

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栗本さん:
「人の日記を読むと、自分も書きたくなることが結構ある。イベントに来た人が『日記っていいかも』って思える。その人の生活に根付いた文章が、日付ごとに書かれているのが日記の面白さだと思っていて、何かを作ろうと思って作ったものではない」

評価されるためでも、バズるためでもない。ただ暮らしの中で書かれた言葉。SNSが当たり前の時代に、自分のために書く日記の面白さを伝えようと、年に2回、日記祭を開いています。

愛知県豊田市に住む会社員(製造業)・田宮紗希さん(27)も、何気ない一日の記録を日記に書いています。この日は、日記を本にしたものを20冊用意していたところ、14冊が売れました。

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初めて日記本を作った田宮さん:
「(日記の魅力は)生活を大事にできることですかね。記録するということは『生活に目を向ける』ということじゃないですか」

■笑えるものから“生きた証”まで…様々な日記が集まる

会場には、ほかにもいろいろな日記が。中学時代の先輩・後輩で20年ぶりに書いた「交換日記風」のものや、子供の寝かしつけに奮闘する母親が書いたものもありました。

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<#寝てくれ日記 Rika>
「かれこれ1時間半も寝かしつけ、全く寝ない感じで絶望中」

育児中の母親:
「かわいいけど寝てくれないっていう、今一番共感できる本だなと思って買いました」

笑える日記ばかりではありません。人生の重たい瞬間を日記に残した人もいました。

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<上司の訃報が来るまで 来たあと 一四>
「8月14日、上司が亡くなった。41歳だった。もっと私の人生に関わってほしかった。仕事が手につかない。仕事が手につかないって、こういうことかと理解できた。しかし、まだ悲しみと涙は迫ってこない。まだ彼の死を、私の心が理解しきれていないのだろうか」

作者の一四さん:
「上司が生きた証みたいなものを、自分の中や関係者だけじゃなくて、少しでも多くの人に何かしらの形で残したいなと」

客ら:
「今日ここに来て、このあと(日記を)書いてみようかなと思いました」
「6冊買いました」

自分のために紡いだ言葉が、知らない誰かの心に届いています。

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