シリーズで伝えている2026年の展望。今回は「教育」分野における二つの大きな変化に注目する。4月に富山市で開校する「学びの多様化学校」と、具体的な議論が始まる「県立高校再編」の行方について-。

「自己肯定感・社会的な自立性を高める学校に」

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「自分自身、数年不登校なんですけど、やっぱり最近学校に行ってみたいという気持ちがちょっと出てきて」

富山市の山下華那さん(13)はこう話す。小学3年生の頃からクラスの環境変化や友人関係に悩み、学校に行けなくなった華那さん。

それでも「いろんな人を助けたい。いろんな人と関わってみたい」という気持ちで、「子ども市役所」と題した居場所づくりに自ら取り組んできた。月に1回程度、料理や遊びを楽しんだり、保護者同士が相談できる場を設けたりしている。

そんな華那さんが現在、入学を希望しているのが「学びの多様化学校」だ。不登校の児童生徒を受け入れ特別なカリキュラムを編成できるこの学校は、不登校が全国で35万人と過去最多となる中、国が各都道府県に1校以上の設置を促している。

富山市の藤井市長は「自己肯定感・社会的な自立性を高めていける学校にしていきたい」と述べている。

北陸初「古志はるかぜ学園」の挑戦

富山市は今年4月、北陸初となる小中一貫の学びの多様化学校「古志はるかぜ学園」を開校する。通学区域は富山市全域で、登校時間は午前9時半。通常よりも授業数を1割程度削減したうえで、学習の内容や時間を自分で決めることもできる柔軟なカリキュラムが特徴だ。

入学の通知を待っている華那さんは「不安と楽しみで半々」と話す。一方、母親の敦子さんは懸念も口にする。

「学校へ行けなくなっている子どもたちや親の気持ちをわかってもらえているのかなと」

校舎は再編統合により閉校する浜黒崎小学校を活用するため、岩瀬浜駅から路線バスを使うか保護者の送迎が必要になる。

また入学希望者は説明会への出席が必須で、その後在籍校での親子面談、教育委員会での面談も必要となり、現在学校に通えていない子供たちにとって大きな負担になる恐れがある。

敦子さんは「当事者ともうちょっとやりとりをしてつくりあげていってほしかったという思いがある。まだ間に合うんだったらそこをやっていただきたい」と期待を込める。さらに「不登校の特別な学校というのではなく、これからの教育の形、富山県の教育の形として、その選択肢のひとつとしての学校であってほしい」と願う。

県立高校再編は「大胆な」方針で

時代に対応した新たな形の学校を模索し、今年重要な局面を迎えるのが県立高校の再編だ。新田知事は「『大胆な』『乱暴な』という言い方をする人もいるが、微修正では立ち行かない時代に大胆に再構築しようということでつくった計画」と説明する。

県教育委員会はおととし、現在34ある全日制の高校を2038年度までに20校程度に集約する方針を打ち出した。今年度の議論では、再編統合は2029年度、2033年度、2038年度の3期に分けて進めること、そして大規模校を1校のみ新設する方針としている。

去年5月、県教委は埼玉県の先進校を視察。1学年20クラス、全校生徒2300人という大規模校だった。県教育委員会の廣島伸一教育長は「多様な選択肢の提供がメリット。ここまで大きなものはさすがに富山県でも…というところはあるが、大規模のメリット、いかし方を反映させていく」と話す。

この大規模校について、県議会でも論戦が交わされた。新田知事は9月、それまで新築するとしていた学校施設について、既存の施設の活用も検討する考えを示した。

再編の実施方針は今月にも取りまとめられる予定で、今年9月ごろまでには第1期の再編について具体案が公表される見通しだ。知事は「第1期の実施の方針、そうなると具体的な学校の名前も含めて再構築するかということになってまいります。これをしっかりと、現在その学校で学んでいる子どもたち、先生たちのこともしっかり配慮しながら、慎重に進めていく」と述べている。

富山の教育現場がどう変化していくのか。2026年はその転換点になりそうだ。

(富山テレビ放送)

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