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今から16年前の2010年1月7日、原爆を扱った漫画の先駆者と言われる広島出身の漫画家、谷川一彦(たにがわ かずひこ)さんの作品展が原爆資料館で開かれました。

谷川一彦さんは原爆で父親を亡くし自らも黒い雨が降るのを見たという広島出身の漫画家です。

会場には谷川さんが描いた原画の複製や漫画掲載誌などおよそ40点が展示されていました。

谷川さんの作品「星はみている」は原爆で父親が行方不明になった少女の物語で、原爆ドームを詳細に描き、原爆症の悲惨さにも触れています。

1957年から1年間、少女漫画雑誌「なかよし」に連載され、原爆を取り上げた最も古い漫画とみられています。

これらの作品を発掘した原爆資料館の担当者は「谷川さんは、広島の漫画家としてうすっぺらな知識ではなく原爆への深い理解をもって作品を描いていた。多くの人に知ってほしい」と話していました。

【メモ】
★谷川一彦(1936~2008年)
★資料展の説明文
終戦直後の広島。手塚治虫氏に憧れて漫画家になった少年がいました。彼の名は、谷川一彦。広島に居ながら1950年代に漫画雑誌で活躍しました。この時代に、赤塚不二夫氏、石ノ森章太郎氏、藤子不二雄氏、松本零士氏、水野英子氏、横山光輝氏・・・今や伝説の漫画家たちが綺羅星のごとく登場しました。この中に谷川氏もいたのです。

手塚風の丸みを帯びた線で描かれた明快なフォルム。動きのある表現。展開する背景。かわいくて洗練された作風でした。
漫画のストーリーも弱い立場の人々への温かい眼差しに満ちた社会性のあるものでした。

人気作家となった谷川氏ですが、「手塚の弟子になる」と上京。「虫プロダクション」に入社しました。「鉄腕アトム」「リボンの騎士」などの漫画やアニメの制作に携わりました。しかし、病のため、道半ばで帰郷。以来、漫画界とは距離を置きました。
(当時、原爆資料館に勤めていた菊楽忍さん提供)

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