■不都合な真実から目をそらし嘘を重ねながらも共に生きる一家

おすすめの映画を紹介する「シネマカフェ」のコーナーです。
今回はあす9日公開の映画「架空の犬と嘘をつく猫」をご紹介します。
この映画のメガホンをとった広島市出身の森ガキ侑大(もりがき・ゆきひろ)監督に作品に込めた思いを聞きました。

今日のシネマカフェは明日9日、公開の映画「架空の犬と嘘をつく猫」を取り上げます。
不都合な真実から目をそらし、それぞれが嘘を重ねながらも共に生きる一家の30年を描いた嘘と絆の物語。

世界15大映画祭のひとつ、タリン・ブラックナイト映画祭で撮影賞を受賞したこの冬注目の作品。


■広島工業大学高校 陸上部キャプテンだった 森ガキ侑大監督

メガホンをとったのは広島市佐伯区出身の森ガキ侑大(もりがき・ゆきひろ)監督です。

【衣笠梨代アナウンサー】
「今日はよろしくお願いします。広島へおかえりなさいですね」
【森ガキ侑大監督】
「いやほんと無事に帰って来られました」
【衣笠アナ】
「母校が目の前に」
【森ガキ監督】
「そうですね。ちょっとほんとに懐かしい感じがして。陸上部だったんですけど、ここを走っていたりとか、勉強がうまくいかなかったり、恋愛がうまくいかなかったり。いろんな嫌なことがあったらこうやって海を見て癒やされたのを今思い出しましたね」

映画制作をはじめ、テレビCMやドラマなど多方面で活躍する森ガキ監督。


■陸上部の部室は男臭い感じの匂いが・・・

そのルーツを紐解くべく監督が青春時代を過ごした思い出の場所を訪ねました。

【森ガキ監督】
「ちょうどあそこが部室で。手前から2個目が陸上部の部室だったんですけど。うわー変わってない。全然変わってない。夏になるとね。男臭い感じの匂いがよくあったんですけど。この中を見るだけで蘇りますね。やっぱり」

■まず自分のことより人のことを考える生徒だった

3年生の時は陸上部キャプテンとして活躍。
一体どんな生徒だったのか当時の恩師、福地先生に話を聞きました。

【広島工業大学高校・福地光文 副校長】
「彼は今たまたま映画監督ですけど、何をやっても成功していたと思います。生徒というよりは顧問に近い存在でしたね。まず自分のことより人のことを考えるんです。細やかな機微の変化に非常によく気付く生徒でしたね。森ガキ君の指示に従って、私がやってたんです」

【衣笠アナ】
「リーダーというか今もチームを引っ張っていく、監督というのに繋がっていくような」
【広島工業大学高校・福地光文 副校長】
「そうですね。まさにそう思います」
【森ガキ監督】
「あの時の夢がやっぱり今にすごく繋がっているなというのは実感しますね」

陸上部引退後、大好きだった映画の世界へ。
国内のみならず海外でも数々の賞を受賞するなど、新進気鋭の映画監督として注目を浴びる森ガキ監督。


■家族の固定概念に苦しめられないように・・・

ここからはあす公開の最新作「架空の犬と嘘をつく猫」について聞いていきます。

【衣笠アナ】
「まずはオファーを受けられた時、どんなお気持ちだったんですか?」
【森ガキ監督】
「弟の死をきっかけに家族が崩壊していって、それでまた家族が再生していくという物語なんですけど、30年間を2時間で描かないといけないので、それがめちゃくちゃ大変だなと思って。これうまくいくのかな…でもストーリーは面白いしという所で、すごく葛藤があって」

崩壊から再生に至る家族の30年。
描く難しさを感じながらも監督がメガホンをとった理由というのが?

【森ガキ監督】
「やっぱり家族って普遍的なものだし、自分も家族の固定概念に苦しめられた所もあったりもしたので、そういう意味では今ある世の中の固定概念がこうじゃなきゃいけないというものじゃなくてもいいんだよという所を伝える事が、この映画だとできるなと思って、よしやってみようと思いましたね」
【衣笠アナ】
「映画を拝見して、ゆったりと流れる時間の中で優しさというのがすごく感じられたなと思ったんですけれども」
【森ガキ監督】
「日常的に淡々と進んでいく映像美みたいな所が表現できたらいいなと。そっちの方がやっぱリアルだし、今なかなか日本の映画でそういう事が無い中で、チャレンジしてみたいなと。ドキュメンタリーではないんですけど、ドキュメンタリータッチに。
みてる方に自分ごと化してもらえるという事がすごく重要かなと思いますね」


■心優しい長男「山吹」を演じた高杉真宙さんは配役ぴったり

幅広い世代の俳優が集結したこの作品。主演をつとめたのは、ただ一人家族と嘘に向き合い続ける心優しい長男「山吹」を演じた高杉真宙さんです。

【森ガキ監督】
「ほんとに好青年ですし、真面目ですし、人に対しての向き合い方というものも、すごく丁寧で、こんないい青年がほんとにいるんだなという感じですね。今回の山吹という主人公の役は、優しさだったり人に対しての愛があったりとか、そういう所が高杉君はすごく配役ぴったりだなって、にじみ出る性格みたいなものはやっぱりあるんだなって、今回の芝居をみて思いましたね」

■柄本明さん・安田顕さんなどが和やかに家族を演じる

【衣笠アナ】
「あとは大御所でいえば柄本明さんだったり安田顕さんだったり。そういった所もいい味を出されてるなと思うんですけれども」
【森ガキ監督】
「みんなが、それぞれいろんなキャラクターを担ってくれて。ちょっと動物園のような雰囲気がありましたね。キリンがいたり…ゾウがいたり、誰がキリンで誰がゾウなんだって話なんですけど、いろんなキャラクターの方たちが和やかに本当の家族として演じていただけたなと思います。家族で自分の居心地が悪いなとか、家族はこうじゃないといけないという固定概念に縛られて苦しんでいる人とか、たくさんの方に響く映画になっていると思いますので、興味があったら是非みていただけたらと思いますね。この映画をみて明日も頑張ろうって思ったりとか、家族を大事にしたいなって思ってもらえるような映画になってくれたら嬉しいなとは思いますね」


■広島ってなんて素敵な場所なんだろう

故郷広島への思いは…

【森ガキ監督】
「やっぱりすごいなと思ったのは、こんなに至近距離に山があって海があって。ちょっと行ったら街があるじゃないですか。こんな素晴らしい所で自分は生まれ育って成長したのかなと思うと、やっぱり東京にいるとそれが分かんないですよね。広島にいた時はそれが当たり前の環境だと思っていたんですけど、こうやって帰ってくると広島ってなんて素敵な場所なんだろうって本当に思いましたね」
【衣笠アナ】
「また今後、広島でも作品は撮りたいですか?」
【森ガキ監督】
「撮りたいですね。やっぱり広島をテーマにした作品は死ぬまでに1本は撮りたいなと思います」

■あす1月9日(金)より全国ロードショー

「架空の犬と嘘をつく猫」 あす1月9日(金)より全国ロードショー
広島バルト11・TOHOシネマズ緑井・イオンシネマ広島西風新都・福山駅前シネマモードなど

あさって1月10日(土)広島バルト11で「架空の犬と嘘をつく猫」の公開記念舞台挨拶が行われます。

午後3時半開始の映画の上映後、森ガキ監督が登壇します。
主演の高杉真宙さんもビデオコメントで出演予定です。ぜひ訪れてみてください。

テレビ新広島
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