焼き物のまち・有田町に東京から進学した高校生。すでにコンテストで最優秀賞を受賞するなど、驚きの才能を見せています。
将来の夢は焼き物の「人間国宝」陶芸家を目指す姿を追いました。

夏の始まりを感じる爽やかな緑色に、一つ一つ丁寧に彫られた美しい文様。
作品名は「新緑」
作ったのはなんと高校生。
有田工業高校3年の小林知史さんです。

【有田工業高校3年 小林知史さん】
「ずっと陶芸やってたいと思うし陶芸が夢になって、その陶芸と共にこれからもずっとやるんで、一緒に生きていくというか」

小林さんは、日本和文化グランプリで、全国の応募の中から学生最優秀賞を受賞。
大学生や大学院生を抑え高校生が受賞するのは初めてです。

【有田工業高校 高田ゆう子先生】
「多分他の子がこうしたら面白そうって思ったとしても、あそこまで全部やりきるとは思えないですし、集中力と技術力がすごく必要だった作品だったと思います」
【同級生】
「小林の作品はやっぱ細かい作業がたくさん含まれてそういうところにすごいって思いました」

東京都出身の小林さんは、幼いころから物づくりが大好き。
絵画やプラモデルなど、いろんな作品を作ってきました。

【小林知史さん】
「何か作って遊ぶのが好きで、ガンダムの頭を段ボールで作ったり、そういうのしてました」

3年前、都内の中学校を卒業して1人で有田町へ。
地方の高校への進学をサポートする「地域みらい留学」の制度を活用しました。

【小林知史さん】
「親が陶芸とか結構珍しいからものづくりが好きなお前にはいいんじゃないかと。もしうまくできなかったとしてもまた東京に帰ってきて、そこでまたスタートすればいいって」

これまでまったく経験が無かった、焼き物づくりを始めた小林さん。
最初に完成した作品の感動をいまでも鮮明に覚えています。

【小林知史さん】
「これですね。窯開けてみてうおおって思ってなんか、かっこよくない?って思ってこれ良くない?って思ってそれですごい嬉しくて、賞ももらったんで、おっしゃ、これ頑張るしかないわって思って」

授業以外でも、「窯業研究部」に所属。
朝や放課後の時間も焼きものに向き合います。

3年間一緒に過ごしてきた同級生は・・・

【同級生】
「ろくろ回してるときの顔とか、めっちゃ真剣な顔みたいな。休日も全然学校行ったり、プライベートでもそんなやるか、みたいな感心した」
【同級生】
「優等生って感じ。作品の作り方とかよく学ばせてもらってます」

東京から有田町に進学し、焼き物作りのとりこになった小林さん。
ただ、根気のいる作業の連続でもあります。

【小林知史さん】
「やってると嫌になることはあるんですよ、実際この面を彫るのにこれだけ時間がかかって、こっちの全体でみるとこのくらいしかないわけですよね。もういつ終わんのかな、あとどれだけ彫ればここから解放されるのかなという気持ちになるんですけど」

これまでは、鑑賞して楽しむ作品を多く作ってきた小林さん。
卒業制作では生活で“使う”ことを想定した日用食器に挑戦します。

【小林知史さん】
「やっぱり有田らしいというか磁器でろくろをしてお皿とかそういう。うつわ系を作ろうと思って。その陶芸をやっていく上で日用食器というのは必ず作っていかなくちゃいけないかなと思っているので未来の自分に繋げるというか僕はこれ作って終わりじゃないんで」

この日は窯出し。窯で焼き上げるまでどんな形や色に仕上がるかわかりません。
完成した茶碗の出来は・・・?

【小林知史さん】
「良いんじゃないですか。良いんじゃないの。釉薬のムラもないです。高台の部分作りが甘くて本当は平らにしたいんですけど、山になっているので少しここは改善の点ではあります」

自分に厳しく、ストイックな小林さん。
この3年間で完全に納得のいく作品は作れていません。
卒業後は佐賀大学に進学し、将来は陶芸家を目指しています。

【小林知史さん】
「目標は人間国宝のような焼きものを極めた人、ですね。人間国宝の作品は形も技法であったりそういうのも上というか、遥か先にあるので、そこまで行ったらどんな景色が見えるんだろうと思います」

サガテレビ
サガテレビ

佐賀の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。