お正月、地元に帰省した人も多かったと思いますが、そんな時につきものなのが「お年玉」。

この日本の伝統行事に今、大きな変化が訪れている。

キャッシュレス決済の普及と物価高騰の影響が、子どもたちの楽しみにも影を落としている。

■小学生姉妹のお年玉事情

令和8年のお年玉事情を探るため、取材班が訪れたのは、大阪府池田市の北城さんファミリー。仲良し姉妹の杏羽里(あねり)ちゃん(小3)と茅杏里(ちあり)ちゃん(小1)は、ことしもお年玉をもらってうれしそう。

「おじいちゃんから1万円」と笑顔で話す杏羽里ちゃん。妹の茅杏里ちゃんは「1000円1枚でさ、10円のお菓子100個買える!」と夢を膨らませる。

全部で杏羽里ちゃんは「5万500円」ものお年玉を手にした。

茅杏里ちゃんは「ぷくぷくシール」が欲しいと笑顔があふれる。

小学生姉妹のお年玉事情
小学生姉妹のお年玉事情
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■「あげる側は痛い」渡す大人の本音

街では、お年玉を渡す大人たちからも声を聞いた。

「あげる側は痛いですけど、それは仕方がないので」と話す40代の男性。金額を減らしたことがあるかという質問には「ないですね」とのこと。

また別の40代の方は「物価高に合わせて、上げてはもらってるかな、2000円でも。1000円もらっても何も買えないもんね?」と語る。

物価高の影響を受け、お年玉をあげる側が「苦しい!」という何とも切ない声が聞かれた。

北城家のお母さん佳誉子さんも「まだうちは(親戚が)少ない方なんで、多いと大変ですよね」と共感する。

「あげる側は痛い」渡す大人の本音
「あげる側は痛い」渡す大人の本音

■お年玉総額は減少 キャッシュレス化も進む

2023年からお年玉についてアンケート調査を行っているインテージの森恵美子アナリストは「(物価高がお年玉に)影響すると回答した人は、昨年から2.4ポイント増えまして40.2%ということで、初めて4割を超えた。“聖域”に不穏な影が差し始めたかもしれない」と分析する。

実際、調査によるとことしのお年玉の予算総額は平均2万4039円と、一昨年より1000円以上減少している。

さらに、令和ならではの変化として、「15歳から20歳のお年玉をもらう予定の人に、『お年玉をスマホのキャッシュレスでもらいたいか』聞きましたところ、38.5%がもらいたいと回答しました。調査を始めて以来最高の値」と森アナリストは話す。

こういった状況を背景に、子供にも早くから資産運用やお金の使い方を学ばせる動きが広がる。

政府は株などの投資による利益を一定金額まで非課税とする国の制度、NISA(ニーサ)を0歳から積み立て可能にするための審議を進める。

お年玉の予算総額は平均2万4039円
お年玉の予算総額は平均2万4039円

■「お金に関する知識」を学ぶ新しい習い事

お金に関する教育の最前線として、去年11月に開校した「子供のお金塾ほまれ」を取材しました。ここでは小学生から高校生までを対象に「お金に関する知識」を教えている。

「今日は欲しいものと、必要なものを考えていけたらと思います」と先生。

「みんなにお金を渡します」と言うと子供たちは「本物?」と目を輝かせますが、「本物ではないです。なんか欲しいものがあったら、このお金を使って買って欲しいです」と手作りのお金を使ってゲーム感覚で学んでいく。

この日、小学3、4年生の4人が学んだのは「消費」と「浪費」について。塾に参加していた4年生の宮本桜弥くんのお父さんには、お金について学ばせようと思った“あるきっかけ”がある。

【桜弥くんのお父さん】「誕生日にお金を渡したんですよ、5000円。5000円をゲームセンターで、すってきたんです。“やばいなこの子”って感じですね」

「お金の価値が分からないですね。その時楽しければいいみたいな。僕がお金の勉強をしてこなかったので、教えるにしてもすごく悩むんですよね…」と語る。

「お金に関する知識」を学ぶ新しい習い事
「お金に関する知識」を学ぶ新しい習い事

■子供たちが自分で判断できる力を育てる

授業では「ノートがいっぱいになった」という状況を提示され、新しいノートを買うかどうかを子供たちが判断する。

「買います」と答えた子供に「どうして買いましたか?」と先生が問うと、「ノートは勉強にいるから」と答えた。

一方、レアなおもちゃを買うかどうかの問いには、桜弥くんは「レアなおもちゃって言っても、500円で買えるわけがないし、買わない。大人になったときに、いつの間にか遊ばなくなって、捨てられるから」と冷静に分析する。

小さいころからお金の勉強をすることに子供たちはどう思っているのか。

桜弥くんは「楽しい!分からないこともいっぱいあるし、分かったらワクワクして、おもしろい」と目を輝かせる。

現在欲しいものは「Switch2」で価格は「5万円」だといい、それを買うために「あまりお金使わないことかな」と貯金に励む姿勢を見せた。

授業を見ていると、年末年始のセールなどで散財してしまった大人が聞いたら耳が痛い内容。

状況に応じて自分で判断する
状況に応じて自分で判断する

■「お金の知識は武器」と塾長

この塾では、小学生は4年間かけて、お金の使い方から税金の仕組み、投資の知識に至るまでをみっちり学べる。

塾を開いた橋本千野子さんは「お金について学ぶ機会の少なさ」について次のように話す。

【子供のお金塾ほまれ 塾長・橋本千野子さん】「日本人特有かもしれないけど、お金の話がタブー視されていたり、前向きに子供に教えている方が少なかった。お金の知識は、本当に強い武器になると思っている。社会に出た時に、その武器を思う存分生かしてほしい」

令和に入って変化するお年玉事情。キャッシュレスの普及、物価高の影響による金額の減少など、時代の変化を反映する形で、子どものころからお金に対する意識を高める取り組みが進んでいる。

(関西テレビ「newsランナー」2026年1月5日放送)

子供のお金塾ほまれ 塾長・橋本千野子さん
子供のお金塾ほまれ 塾長・橋本千野子さん
関西テレビ
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