お正月の風物詩・箱根駅伝が近づいてきました。

3連覇に挑む青山学院大学陸上部。
鍵を握る食事改革の秘密に迫りました。

東京・町田市にある、選手たちが生活する寮。
トレーニングを終えると全員そろっての夕食です。

箱根駅伝連覇のため、今取り組んでいるのが食事です。

レースまで1カ月を切った12月10日、駅伝の候補選手16人が決まり、本番に向けピークの状態を維持するため練習を重ねていました。

佐藤有一選手(4年):
病気に感染すると(レースに)出られるか出られないか、そういったところまで来てしまうので、食事はレース前はちゃんと取ろうと思う。

10日、寮ではスタッフが打ち合わせ。
2025年の夏、陸上部は食材を提供する企業と連携し、選手のコンディションを高めるメニューの開発を進めてきました。

ポイントは、疲労をためない食材選びです。

青山学院大学陸上競技部スポーツ栄養士・鶴見彪雅さん:
(Q.レース前の注意点は?)選手の内臓疲労が顕著に表れることが多いので、冷えてしまうような副菜を避け、温菜を中心に出すことを心掛けている。

この日決まったメニューの1つが、砂肝とパプリカの炒め物。
砂肝は低脂質・高タンパク、鉄分も豊富な食材で、貧血の予防に効果があります。

それをビタミンCが豊富なパプリカと合わせることで、鉄分の吸収率が向上するといいます。

発芽直後のブロッコリーの新芽・ブロッコリースーパースプラウトをトッピング。

この食材に注目した理由を、鶴見さんは「(ブロッコリースーパースプラウトの効果は)抗酸化力や免疫力を高めてくれるスルフォラファンという栄養素がたくさん入っている。駅伝シーズンに入る前から取り入れている」と話しました。

こうした工夫を凝らした新メニューが日々提供されます。

前回の箱根駅伝でも快走した4年生・宇田川瞬矢選手も効果を実感しています。

宇田川瞬矢選手(4年):
駅伝前は少し疲労感を感じる部分も毎年あるが、今年から導入され、疲労感がぐっと下がってきたかなと感じている。

チーム全体の底上げにつながったという食への取り組み。
メニュー作りに関わる株式会社村上農園広報マーケティング室・松井真実子室長代理は「日々のコンディション管理がパフォーマンスの向上につながるという考え方に共感し、応援している」と話しました。

史上初めて、同一チーム2度目の3連覇を狙う青山学院大学陸上部。
食へのこだわりが、大記録に挑む選手たちを支えています。