1年間を振り返る「しずおか総決算2025」。今年も人々を悩ませ続けた米価の高騰。米不足に始まり、備蓄米の放出、そして今では米余りまで。長引く“令和の米騒動”を見つめる。

価格高騰も…店頭から姿を消した米

いまだ高止まりが続いている米の価格。

“令和の米騒動”という名の通り、この1年、静岡県内でもこの話題が尽きることはなかった。

米5kgの店頭販売価格の推移(農水省)
米5kgの店頭販売価格の推移(農水省)
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2024年2月は5kgで2000円台だったスーパーでの店頭販売価格。

その後、急激に値上がりすると、2025年1月には3800円を超え約2倍に達した。

静岡市内のスーパー(2025年3月)
静岡市内のスーパー(2025年3月)

さらに、米を確保しようという動きもあり、価格は高止まりしたまま店頭から米が姿を消すという異様な光景も。

“備蓄米”放出で鎮静化を図るも…

こうした事態を受け、政府も対応に乗り出した。

江藤農水相(当時)は「米の流通の円滑化、ひいては国民生活の安定に資するものになるよう迅速に手続きを進める」と備蓄米の放出を発表。

これで鎮静化を狙ったはずだったが、このあとまさに“令和の米騒動”ともいえる現象が繰り広げられる結果を招くことに。

江藤元農水相が備蓄米の放出を発表してから4カ月ほどが過ぎた6月初旬。

静岡県内でもようやく備蓄米の販売が始まると各地のスーパーは開店前から人であふれ、混乱を避けるため、あえて事前に告知をしない“ステルス販売”を行う店舗も登場するほどだった。

店頭に米が並ぶも価格は…

その後、県内でも広く備蓄米が出回り始めると、7月後半には販売価格が3500円程度にまで下落したが、再び上昇すると元の価格水準へと逆戻り。

9月に入り、新米が入荷してきたにもかかわらず価格は高止まりが続いた。

米5kgの店頭販売価格の推移(農水省)
米5kgの店頭販売価格の推移(農水省)

JAグループなどの集荷業者が、農家への支払いを過去最高水準へと引き上げ、仕入れ値が高いためスーパーも値段を下げられない状況に陥っていたからだ。

“米余り”に転換?

こうした中、現在まで続く米騒動は”米不足”から”米余り”へと変わりつつある。

田子重セナ店では在庫過剰となったことで値下げを断行し、内記寿治 店長は「12月に入り一部商品だが若干安くなった。もう少し値段が下がってくれれば米離れも止まって良いと思う。銘柄米が4000円を切るような価格で安定してくれれば」と期待を口にした。

日本人の主食として自給率も問題となる米をめぐっては、民間輸入量が1月から10月までに9万トンを超え、2024年1年間の90倍近くに急増しているという気になる現象も起きている。

混乱が続く米をめぐる状況…果たして2026年はどうなるのだろうか?

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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