福島県を拠点とするプロバスケットボールチーム「福島ファイヤーボンズ」が今シーズン、B2東地区で首位を走る躍進を見せている。昨シーズンは最下位だったチームがなぜここまで大躍進を遂げたのか。その背景を探った。
熱狂を生み出す「ボンズ」の存在感
B2東地区首位を走る、福島ファイヤーボンズ。小さな子どもから大人まで…ワンプレーに一喜一憂しながら、心掴まれるブースターたち。
「めちゃくちゃ楽しいです。多くの人に来てほしいです、勝っても負けても楽しいので」仙台在住のブースターはそう語る。ファン歴3年目というブースターの言葉からは、チームへの熱い思いが伝わってくる。

また、ブースター歴5年目という中学3年生は「アリーナが新しくなってからケタ違いに楽しくなって、ブースター一丸で熱狂空間っていう感じです。来ないと損っていう感じです」と魅力を語る。
「大変革」シーズンで魅せた強さ
今シーズン、福島ファイヤーボンズはチーム記録となる18連勝を達成。昨シーズンからメンバーをほとんど入れ替えた「大変革」のシーズンで躍進している。
特に印象的だったのが、2025年11月30日の福岡戦。Bリーグ史上初となる「クアドラプルオーバータイム」(4度の延長戦)という死闘を制した。

渡邉拓馬GMはこの試合について「ああいう試合を勝てるのも、このチームが持っているものだと思いますし、ライアンHCの腕だと思う。ただあれを落とすのと勝つのでは、まったく状況が変わってくる。インパクトは出せたかと思う」と振り返る。
チームの強さを支える「情熱と犠牲」
昨シーズン最下位から今季の大躍進。その原動力について渡邉GMは「情熱と犠牲」だと語る。
「選手に限らず、みんなが情熱を持って取り組んでいるということが試合で形になって出ている。さらに特にバスケットボールは得点シーンが注目されがちだけど、そのほかにもディフェンスとかリバウンドとか、自分が犠牲にならなきゃいけないことがたくさんある。そういうところが各々チームのためにできている」

実際、今シーズンの成績を見ると、得点力やミスの少なさ、アシストなどでリーグ1位を誇っている。
2029年のBプレミア参入へ向けて
来シーズンから、プロバスケリーグは大きく変わる。トップリーグを「Bプレミア」として再編し、ボンズの参入が決まっている「Bワン」などに階層化され、成績による昇格や降格がなくなる。

福島ファイヤーボンズは2029年からのプレミア参入を目指しており、その条件となるのが平均集客4000人と売り上げ12億円。現在すでに平均4357人の観客を集めているボンズは、トップリーグ参入へ向け絶好の位置にいる。
「ブースターの応援」が最大の強み
今年の一番の強みについて渡邉GMは「やっぱりブースターの応援」だと断言する。
「多分アリーナに選手がウォーミングアップするために足を踏み入れた時のモチベーションの上がり方はスゴイと思う。あの景色を見ただけで、どんどんやる気が上がってくるので、それだけでも感謝したい」

「福島県を元気に」を旗印に掲げ、チーム名の「Bonds(ボンズ)」が示す通り、絆や結束を大切にするチーム。地元地域との絆を大事にし、福島県の代表として誇りを持って戦う姿が、多くの県民の心を掴んでいる。
(福島テレビ)
