まもなく迎える年末年始の帰省や旅行の移動ラッシュ。
各バス会社は今、近年急に聞かれるようになった“ある行為”への対策に頭を悩ませています。

バス利用者:
「相席ブロック」はやっぱり迷惑だと思う。「相席ブロック」でキャンセルというのは、どうにかして対策できればと思う。

遠方の都市に向かう高速バスなどで横行している「相席ブロック」。
1人の乗客が隣り合う2席分を予約した後、出発寸前にスマホなどで1席をキャンセルすることで、隣に人が座ることをブロックする迷惑行為です。

千葉の実家に帰る客(70代):
迷惑。乗りたくてもその時間に乗れないとか、切符買っても全部埋まっていると言われたら次にするしかない。

長野に帰る客(50代):
どの人が相席ブロックしているかは見ただけでは分からない。

山梨へ帰る客:
自分だったら(相席ブロック)やらないから、隣に人がいるバスしかなかったら電車使う。(隣に)来ちゃったら来ちゃったでしょうがない。

ただ、迷惑行為への対策を講じてほしいという思いは皆同じです。

そこで「イット!」はバスの運行会社を取材。
この会社は、2022年ごろから相席ブロックとみられる行為に悩まされてきたといいます。

ジェイアールバス関東 総務部・小野寺海渡さん:
(極端なケースは)ここを予約したとして、横とか前とか後ろの座席、あるいは横の座席も予約だけして当日実際に乗車。当日になると乗車されるのは、この座席の人のみという形。(Q. 「前後」予約というのはどういう目的?)推測ですけど、リクライニング(しやすいように)。

相席ブロックが後を絶たない状況が続く中、ジェイアールバス関東は2025年4月からいくつかの対策を打ち出しました。

その1つが“ある支払方法”の終了だといいます。

ジェイアールバス関東 総務部・小野寺海渡さん:
当時はネットで予約をした後に、コンビニで支払いをするという予約方法がありましたので、それを相席ブロックする方が多用していた。

このコンビニ払いだと、3日間は支払いをせずに予約した席を押さえることが可能でした。

3日後にキャンセルされるタイミングで再度予約。
これを繰り返すことで、当日まで座席の支払いが発生せず相席ブロックすることができたため、一部路線でこの予約方法を終了しました。

さらに東京‐大阪間の路線などでは、払い戻しの手数料を20%から30%に引き上げました。

ジェイアールバス関東 総務部・小野寺海渡さん:
(現在の相席ブロック被害)0になっていないと思いますけれども、ほぼ無くなってきてるかなと。

相席ブロック対策は他のバス会社でも行われています。

福岡を中心に高速バスを運営する西鉄は2024年12月から、高速バスの前日と当日のキャンセル料を運賃の50%に設定しました。

またジェイアールバス中国では現在、一部路線で出発まで2時間を切った高速バスのキャンセル料を100%にするなどの対策をとっています。

それでも完全にはなくならない「相席ブロック」。

この行為について、池田・染谷法律事務所の越田雄樹弁護士は「民事上・刑事上もいわゆる違法なことになる可能性はある。過去にも同じようなことをしている方については、意図的に乗るつもりもないのに予約していることが簡単に立証できる」と話しました。

関西テレビ
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