東京・中央区の築地場外市場で、年末の混雑緩和を目的として観光業界に対し、団体ツアーや食べ歩きなどを控えるよう初めて呼びかけが行われた。狭い通りに観光客が集中し、常連客の買い出しに支障が出ているとの声を受けた対策だ。協議会は午前中を買い物客優先とし、午後から観光客に来場してもらうなど、時間で分ける方法が理想だとしている。
年末年始の買い出しをする人たちで賑わう築地
「マグロの中トロ」に「エビ」や「ウニ」。年の瀬の台所とも言われる東京・中央区の築地場外市場。年末年始の買い出しをする人たちで賑わう中、師走の混雑緩和へ観光客に初めての呼びかけがあった。

取材班:
正午過ぎの築地ですが、多くの人で賑わっています。
店員:
さあ、きょうは数の子がお買い得です。いかがでしょう 2000円でサービスします。
築地で100年以上にわたり魚介類を販売する鮮魚店「魚がし北田」では、年末にかけて大感謝祭を実施。

魚がし北田・碓氷真里子さん:
スモークサーモンですね。4800円が3500円になります。
お店のこだわり、天然紅鮭のスモークサーモンは通常より1300円安い、3500円。さらに明太子は40%オフの1296円。
客:
サーモンの刺身を買いました。安かったので。のぞきに来たらおいしそうだったので買いました。
客:
松前漬けです。作るのが面倒だから、出来上がったものを買いました。

一方、築地グルメを堪能する多くの観光客もみられた。
埼玉から来たウニを食べた客:
めっちゃおいしい。やばい、ここじゃないと食べられない。
白子ポン酢を食べた外国人観光客:
難しい味だね。だけどおいしいよ。

混雑する年の瀬の築地。2025年は異例の対策が取られることになった。
取材班:
ポスターが貼られていますね。「観光ガイドの活動はご遠慮ください」と書かれてあります。
築地場外市場が12月の買い物客応援宣言として2025年初めて、観光業界に対し「団体ツアーや食べ歩きなどを控えてほしい」と呼びかけたのだ。

築地食のまちづくり協議会・北田喜嗣理事長:
団体(観光客)のみなさんが大挙していらっしゃると、特に狭い通りがたくさんあり、人が通れなくなってしまうということがあって、年末の1週間だけは買い物の皆さん優先でお願いをしている。
時間で買い物客と観光客を分ける対策が「理想」
その理由は築地の常連客からの、こんな声だった。
常連客:
買い物しづらいね。確かに並んでいるから。買いたいものを買えない。
常連客:
やっぱり暮れは多い。我々客としてはもうちょっと少ない方がいいかなと思います。あまり大きい声では言えないけど。
スーツケースを引いた観光客も多い築地。異例の呼びかけに店の人たちはどう受け止めているのだろうか。店内で新鮮な魚介類を食べることができる「斎藤水産」に聞いた。

斎藤水産・斎藤又雄さん:
買い出しのお客さまの邪魔じゃないが、混み合うので倍になるので。観光のお客さまの海外のお客さまガイドさん来ますけど、もう年末はやりませんよって最初からお断りした。
年末最後の一週間は、店内での提供を中止する予定だという。その一方でこんな声もある。

魚がし北田・碓氷真里子さん:
(個人的には)呼びかけに反対かな。やはりどちらにも来ていただきたいので。
年末年始の買い出し客に対し、少しでも買いやすい状況を作るための今回の対策。

築地食のまちづくり協議会・北田喜嗣理事長:
9時からお昼頃まではですね。できればお買い物のお客さま。その後ゆっくりと観光のお客さまに来ていただきたい。うまくすみ分けができて、それぞれの皆さんに便利に築地を使っていただくのが、私たちが理想としているところです。
(「イット!」12月22日放送より)
