2025年12月21日に京都で行われた全国高校駅伝で、福島県の学法石川高校・男子が大会新記録を打ち立て、悲願の初優勝を果たした。

一度もトップ譲らず 大会新記録

あいにくの雨となった全国高校駅伝。
各校のエースが揃う「花の1区」を走るのはエース・増子陽太選手(3年)。「雨で最初は不安要素ではあったが、しっかり目標タイムも達成することができたので、自分個人としては120点満点」とレース後に語った増子選手。7キロ過ぎからのロングスパートで一気に抜け出すと、日本選手最高記録を叩き出す圧巻の走りを見せた。

増子陽太選手
増子陽太選手
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続く2区は、1年生ルーキーの若田大尚選手が1位をキープし、Wエースの一人・3区の栗村凌選手(3年)にタスキをつなぐ。
「増子が1区で良い走りしてくれたので、それに続けるように。負けてられないと思って走りました」と語る栗村選手は、上り坂をものともせず、区間賞。後続との差を1分近くに広げ狙い通りの展開に持ち込む。

栗村凌選手
栗村凌選手

その後は4区の佐藤柊斗選手、5区の末田唯久海選手、6区の保芦摩比呂選手が区間上位の力走で十分なリードを保ち、最後のタスキは1年生の美澤選手へ。
アンカーの美澤央佑選手(1年)は「全員、差を広げてくれた。ちょっとアンカー心配だったけど、余裕をもって安心して走ることができた。もう最高でした。優勝だと分かっていたので、ずっとかみしめながら走っていました」と話した。
一度もトップを譲らない完全優勝!2時間0分36秒で大会新記録を打ち立てた。

男子優勝は県勢初の快挙

松田和宏監督は「競技場に入ってきて、ようやく優勝できるなと確信した。非常にうれしかった」と語る。
15年連続17回目の挑戦で、悲願の頂点に立った学法石川。男子の優勝は福島県勢としても初の快挙となった。

悲願の優勝
悲願の優勝

栗村凌選手は「3年間ずっと、自分たちで優勝すると話してやってきたので、それが実現できたのが素直にうれしい」と語る。
また増子陽太選手は「優勝にたどり着けて、いまメダルをかけていること。すごくうれしく思います」と語った。
選手たちは、12月23日に学校で優勝報告を行う。

地元からも祝福の声

学法石川高校がある福島県石川町では、歓喜の瞬間から一夜明け喜びの声であふれた。
町民からは「すごかったね。たまげたよ」「最高だったね。見てても、タイム差そんなに縮まらなかったから。そして大会新っていうのは最高ですね」との声が聞かれた。

自宅に貼り出した人も
自宅に貼り出した人も

また、快挙を祝う言葉を自宅に貼り出した西牧敏幸さんは、毎日自宅の近くで陸上部の練習を見かけるなかで、走りの迫力とひたむきな姿にすっかりファンになったという。
西牧さんは「感動を頂きまして、元気に頑張らなくちゃと思います」と語った。

OBたちからも喜びの声

学法石川OBと言えば、東京オリンピック代表の相澤晃選手など、世界で活躍する選手が勢ぞろいだが、この世代でも成し遂げられなかった優勝。
自身のXで相澤選手は「おめでとう!僕もあすから気合い入れて頑張ろう」とポスト、さらに遠藤日向選手に至っては1区の増子選手の衝撃の走りに、絶句した投稿をしていた。

学法石川OBの祝福ポスト
学法石川OBの祝福ポスト

そして、田母神選手は「勝負は4区からだと思っていたが、4区から7区の選手が誰1人外さなかった。OB一同悲願の優勝だったので、いちOBとして勇気をもらった」と母校を称えた。

学法石川OBの田母神一喜選手
学法石川OBの田母神一喜選手

ちなみに大エースの増子陽太選手は、早稲田大学へ進学することが大学競走部から発表された。大学駅伝、そして世界で戦う姿が楽しみだ。
一方、学法石川女子は13位と健闘。来年さらなる飛躍を目指す。
(福島テレビ)

福島テレビ
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