OHK岡山放送で月曜から金曜午後3時50分から岡山・香川エリアで放送中の情報番組「なんしょん?」で、岡山の旬の魚介類を紹介する人気コーナー「瀬戸内旬紀行」。

岡山市中央卸売市場の市場関係者でつくる「岡山県お魚普及協会」の協力で瀬戸内などの新鮮な魚介のおいしい食べ方などを紹介しています。原田屋鮮魚店の原田徹美会長とともに、秋から冬にかけての旬「イイダコ」の魅力をお伝えします。


◆「白いもの」に飛びつく?イイダコの名前の由来と雑学

イイダコは、繁殖期になるとメスが胴の中に米粒のような卵をたくさん抱えることから、「飯(イイ)」の名がつきました。小さな体に詰まった命の営みが、その名前に込められています。

番組では面白い雑学も。イイダコは獲物である貝に似た「白いもの」に飛びつく習性があり、白をその獲物と認識して捕食するのだとか。生きたイイダコを処理する時に白い割烹着を着ていたら…イイダコが飛んできてくっついてしまうかもしれません。

◆瀬戸内海で取れる旬の味 オスのイイダコも「足」の味に注目

今回のイイダコは、岡山県東部の日生湾で取れたものです。原田会長によると、イイダコは9月から12月にかけて深いところから浅瀬へ移動し、この時期が最もおいしいといいます。

さらに晩秋になると足の部分が特においしいそうです。メスは卵を抱える産卵期に人気ですが、オスの足の旨みも格別。旬の味覚です。


◆原田会長おすすめの食べ方は薄味での「煮付け」

イイダコの調理法は多彩ですが、原田会長のおすすめは薄味の「煮付け」。家庭でも簡単にできます。しょう油・砂糖・みりんを“黄金比”の1:1:1で合わせ、少し酒を加えるだけで香りがよくなるといいます。

実際に試食した出演者からは「プリプリ感がすごい」「しょう油との相性抜群」「日本酒に合う!」と絶賛の声。かむほどに広がる旨みと甘み、そして弾力ある食感は、寒い季節にぴったりの一品です。

◆調理のポイント“しっかり下処理”

タコ料理の基本は下処理。原田会長は「ぬめりを取るために塩もみをしっかり行い、きれいな冷水で洗う。そして塩をサッと入れて、身がプリッとなったところで味付けをし、中火でじっくり煮るのがコツ」と話します。

この「塩もみ」のひと手間で、イイダコの食感と風味が格段にアップします。

◆鮮度のいいイイダコをお店で買う時は何を見たらいい?

イイダコは旬のこの時期、スーパーや鮮魚店で広く販売されています。購入時のチェックポイントを原田会長に聞くと「「つるつるした光沢」と「ぬめり」。輝きがあるものは鮮度がいい」と話しました。できれば「生きているもの」「動きが活発」なイイダコもおすすめだそうです。

イイダコは、瀬戸内の冬を代表する味覚のひとつ。煮付けはもちろん、唐揚げや酢の物など、アレンジも自在です。プリプリの食感とやさしい甘みを、ぜひ食卓で楽しんでみてください。

岡山放送
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