「学生の皆さん、私たちは授業開始に間に合うよう、資格を満たす場合には面接の予約とビザ発給を確実に行うよう全力を尽くします」

アメリカ国務省のウェブサイトで学生ビザの申請について説明された一文だ。
一見して親切そうなメッセージとは反対に、不法移民対策を進めるトランプ政権は、学生ビザの発給の厳格化を進めてきた。

その影響から、2025年度秋学期にアメリカの大学に新規入学した留学生の割合は、アメリカ国際教育研究所によると、前年と比べて17%減少したということだ。

オンラインインタビューに応じる土本周さん
オンラインインタビューに応じる土本周さん
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アメリカがビザ問題に揺れる中、日本人留学生は現場でどのようなことを感じているのか、2025年秋からアイビーリーグの名門・ペンシルベニア大学の教育大学院に留学し、「国際教育開発」を学ぶ土本周さん(30)に話を聞いた。

「留学自体が立ち消えにならないか」

土本さんがビザを取得したのは、2025年6月。

国務省が学生ビザの面接の停止などの措置を行うちょうど前日に面接を済ませていたため、ビザは比較的スムーズに取得できたという。

それでも入学までの間、トランプ政権は対立するハーバード大学に対し、留学生受け入れ資格の停止など攻撃を重ねた。
こうした報道を目にしながら、土本さんは不安を募らせていたという。

トランプ政権と対立するハーバード大学
トランプ政権と対立するハーバード大学

土本周さん:
母校に過激なことはしないだろうと思いつつ(トランプ大統領はペンシルベニア大学卒)、大学がどう政権に立ち振る舞うか次第で、ハーバードと同じ目に遭うかもしれない、留学自体が立ち消えにならないかと不安だった。

入学前に大学院から土本さんに送られてきたメール
入学前に大学院から土本さんに送られてきたメール

留学を予定する人々のこうした不安に対処するため、大学からは入学までの間、頻繁に「安心してください」という旨のメールが送られてきた。
ビザの問題でアメリカに入国できない学生のために、オンラインで受講できるコースも急きょ立ち上げられたということだ。