災害を経験して感じた思いを『紙芝居』に込めました。
8月の記録的大雨で自宅が被災した八代市興善寺町に住む女性が18日、地元の龍峯小学校で子どもたちに向けて手作りの紙芝居を披露しました。
八代市立龍峯小学校を訪れたのは近くに住む加来 美和子(かく・みわこ)さんです。
加来さんは、8月の大雨で自宅が大規模半壊となるなど甚大な被害に遭い、今も仮住まいを余儀なくされています。
9年前から小学校での読み聞かせボランティアを行っていて、18日は6年生の児童を前に、手作りの紙芝居を披露しました。
タイトルは『りゅうほう~感謝と元気~』。
元小学校教諭の加来さん。災害を経験して感じた思いを子どもたちにもわかりやすいように写真やイラストで伝えます。
【紙芝居】
「雨が止み、下(1階)に降りてみると、なんと窓ガラスが割れ、部屋中に土石が流れ込んでいました。しばらくして外に出てみると、さらに目を疑いました。家は完全に埋まっていたのです」
未曽有の被害に遭い、一時はひどく落ち込んでいたものの、たくさんの人たちの支えで前を向くことができたと語りました。
【紙芝居】
「私がなくしたものはたくさんありました。しかし、それ以上に得たものがたくさんあります。紙芝居をつくりながら、改めて同じ地域に暮らす仲間を放っておかない『龍峯』ってすてきな所だなとしみじみ思います」
加来さんの思いは同じく被災を経験した子どもたちにもしっかりと伝わったようです。
【児童】
「家が大変なことになっていろんな人が声をかけてくれて助けられたという話が心に残った」
「見えないところでもたくさんの人に支えられているんだなと思った」
「(自分も)困っている人がいたらすぐに駆け付けたいと思った」
「みんなが(学校を)きれいにしてくれたからこそ私たちも協力して恩返しできるように、元気で一生懸命頑張りたい」
【加来 美和子さん】
「同じ思いをしているんだなと。自分たちも被害に遭って自分たちだけの力じゃなくて周りの人の力がすごくうれしいありがたい支えになるというのを子どもなりに感じているんだなと思いました」
災害を経験して芽生えた周りの人たちへの感謝の思い。子どもたちは紙芝居を通してその思いを新たにしていました。