警察官をかたるうそ電話詐欺やSNSで架空の投資を持ちかける詐欺事件が相次ぎ、県内でも11月末までの被害総額は28億円と過去最悪となっています。
そんな中、県警は宮崎に本社を置く乳製品メーカーの牛乳パックに、詐欺被害防止を呼びかける広告を掲載する啓発活動に乗り出しました。
こちらは県警が発表している詐欺被害の被害額と件数の推移です。
2023年までは数千万から数億円の規模で推移していた被害額は、2024年は20億円を超え、件数とともに急増しました。
そして17日発表された11月末までの2025年の被害は、件数が539件、被害額は約28億円と、1カ月を残して過去最悪の数字となりました。
詐欺被害が後をたたないなか、県警が12月から始めた取り組みがあります。
中川雅温記者
「こちらのスーパーでは昨日から詐欺被害防止を呼びかける牛乳パックが店頭に並んでいます」
鹿児島市のスーパーに並ぶ牛乳。
側面には「ホンモノの警察は絶対にしません!」という呼びかけが。
宮崎県に本社を置く南日本酪農協同のデーリィ牛乳に、鹿児島県警と宮崎県警が合同で掲載した啓発広告です。
中川記者
「こちらのQRコードを読み取ると、特殊詐欺の手口を紹介する県警のページにアクセスします」
QRコードを読み込むと、うそ電話詐欺の実際の手口や被害事例が掲載されたページにつながります。
特殊詐欺被害の防止を呼びかける広告の掲載は、今回が初めてだということです。
南日本酪農協同・百丸俊昭社長
「年末年始に家族が集まる機会も増えると思うので、牛乳を手に取って詐欺被害が起きていることや手口について家族で話題にして、防犯意識の浸透が図れたらいいのではないか」
広告が掲載された牛乳は順次出荷作業が行われ、鹿児島、宮崎、熊本のスーパーなどに60万本出荷される予定です。
県警もこのように対策をしていますが、18日も詐欺被害の発表がありました。県内の80代の男性が、2025年7月から10月にかけて無料通信アプリ「LINE」で投資を呼びかけられ、約5800万円をだまし取られたということです。
警察は高額な投資金を要求する詐欺が多発しているので安易に振り込みはせず、警察や家族に相談するよう呼びかけています。