特集です。
宮崎県の沿岸でよく取れるオオニベ。
こちらは日南市で多く生産されているレモンです。

こうした宮崎の身近な食材を余すことなく使いきる技術を提供している男性が宮崎市にいます。
こちらが製品化されたものでレモンの皮やワタ、果肉すべてを使ったシロップです。
食材を余すことなく使い切ろうというこの取り組み、少しずつ広がりを見せています。

遠藤英樹さん48歳。
千葉県出身で3年半前に宮崎市へ移住し、去年秋に宮崎市中央卸売市場に未利用魚や規格外の農産物に価値をつけていこうと「mahana」を立ち上げました。

遠藤さんが揚げているのは、オオニベを使った天ぷら「ひな天」です。

(金丸ひろみリポーター)
「ふわふわ食感がたまらない。ほんのり甘い」

(遠藤英樹さん)
「オオニベが主で豆腐や醤油、卵が入っている。オオニベは練ると身に弾力が生まれるので食べ応えがある。旨味が大量に出るので白身が柔らかくおいしいオオニベはこう活用しています」
(遠藤さん)
「スーパーで切り身で売られていると見えないところなんですが、オオニベは大きいので捨てられるところが40%から半分くらいある。移住者として、宮崎は食材の宝庫だと思った。有効活用できるすべはいくらでもあるのではないか」

天ぷらのほかにも、皮や骨・筋から出汁をとった潮汁。
また浮き袋は中華料理の高級食材ユイトウ。
胃袋は韓国料理のチャンジャなど、捨てられてきた部位を有効活用しようとしています。

関心は果物にも…
12月7日、日南市南郷町の果樹園には遠藤さんの姿が…

(遠藤さん)
Q.今年の出来は?「いい感じです」

訪れたのは、4代続く果樹農家の伊地知さん。
このレモンは加工用として栽培していますが、スーパーも並べられる自信作です。

(伊地知さん)
「台風の被害など、B品・C品が上がってくると、引き受けてくれると大変助かる。(遠藤さんは)1からチャレンジするってすごいこと。世の中に広がってほしいと思う」

このレモンから去年誕生した商品がこのレモンシロップです。

(遠藤さん)
「今から今年収穫したもの(レモン)を初物ですので、テストしたいと思います」

身近な食材を余すことなく使いきろうという遠藤さんの思いを形にしているのがこちらの機械です。

(遠藤さん)
「これB品、ちょっととげが刺さって傷になったもの。機械では分かれて出てくるので、全然問題ないです。うちの機械で搾汁すると、香りをフルで引き出す。他の果汁機と比べると香りの量が2倍たつことがわかりました」

果汁を絞ったあとの皮や種。
これを捨てずに匂いがネックのサメの食用化に向け、技術を提供したいと考えています。

(遠藤さん)
「やったことがないことはいっぱいある。誰かがやるなら自分でやりたい、アイデア次第」

遠藤さんがめざすのは一次産業の収入アップです。
(遠藤さん)
「機械1台で水産も農産も、まだ使われていない農産物や未利用魚をクローズアップしながら、全国にうちみたいな施設が何カ所かできるようになったら、全国においしいものが増えるんじゃないかなと思っています」

テレビ宮崎
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