被爆体験者の控訴審が17日、福岡高裁で開かれました。
原告側は放射性微粒子による内部被ばくや、国が定めた地域の外にいた人たちの健康影響などについて改めて説明しました。
原告団や支援者は裁判を前に、原告の1人で11月に亡くなった上戸大典さん(83)を追悼し、黙とうを捧げました。
原告団長 岩永千代子さん
「最後まで頑張ろうねと言い合った」「祈っていてください」
この裁判は、長崎に原爆が投下されたときに国が定めた被爆地域の外にいた被爆体験者43人が、県と長崎市に被爆者と認めるよう求めているものです。
5回目となる口頭弁論は福岡高裁で開かれましたが、原告8人はオンラインで結んだ長崎市内の会場で傍聴しました。
裁判長が変わったことから、17日は原告と被告の双方が専門的な知見も含めて説明。
原告側は当時、被爆体験者がいた地域にも放射性降下物が降り、放射能の影響を受ける事情にあったなどと訴えました。
一方、県側は、被爆地域以外は雨の有無に関わらず線量が低いと報告されていることなどを挙げ、健康への影響は認められないなどと従来の主張を繰り返しました。
次回の裁判は2026年3月4日です。