アルコールの多量摂取により、記憶障害となった息子を殺害した罪に問われた80歳の母親に、17日、広島地裁は執行猶予付きの判決を言い渡しました。

起訴状などによりますと、広島市中区の無職・清原和子被告(80)は、「こどもの日」でもある2025年5月5日午後6時半ごろ、酒を欲しがる長男・剛さん(当時55)を広島市中区白島九軒町の川土手に連れ出し、睡眠導入剤と酒を飲ませて意識をもうろうとさせると、剛さんの首にロープを巻き付けて締め付けるなどして殺害した罪に問われていました。

裁判は裁判員裁判となり、和子被告は初公判で起訴内容を認めていました。

検察側は裁判で「剛さんがアルコールの多量摂取により、回復が極めて困難な脳障害となり、事件当日、意味不明な言動を繰り返す剛さんを見て、和子被告は将来に絶望し、殺害を決意した」と指摘。

「親族が被告の処罰を求めていないことや、警察に自首したことなど、全ての事情を考慮しても執行猶予付き判決では償えない」として、懲役8年を求刑していました。

一方、弁護側は「被告は被害者のアルコール依存症が治るなら、どんなことでもしてやりたいと思い、酒を捨てたり、玄関で寝たり、涙ぐましい努力をした」と主張。

「事件当日、剛さんが『酒を飲みたい』と被告のもとへ何度も酒を求める姿に絶望し、もう元に戻れない、楽にさせたいと思い、心中目的で殺害した。極めて同情の余地がある」として、執行猶予付きの判決が妥当だとしていました。

17日、広島地裁で開かれた判決公判で広島地裁の後藤有己裁判長は、懲役3年 執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

※速報段階の情報です

テレビ新広島
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