BBTが贈る「卒うた」プロジェクト。

夢に向かって様々な活動に打ちこんだ高校3年生の青春の一ページを紹介します。

取材したのは強豪・高岡向陵高校相撲部。

高校日本一、そして角界入りを目指し相撲に打ち込んだ高校生3年生の思いに迫ります。

強豪校として全国に名を馳せる高岡向陵高校相撲部。

ここ数年、全国大会で上位入賞を重ね、近年は県外から入部する部員も増えるなど、めきめきと力をつけてきました。

*高岡向陵高校 相撲部 中山昌監督
「他のチームを圧倒して今年日本一を目指してやってきた」

去年のインターハイは3位入賞。今年のインターハイで雪辱を期すため相撲に磨きをかけてきました。

*高岡向陵高校 相撲部 中山昌監督
「一人一人の相撲のバリエーション、皆違ったタイプの相撲がとれるのでチームとしての総合力は昨年度3位のチームよりも上だと思う」

夏のインターハイが集大成の3年生。

*高岡向陵高校 相撲部 平河シャアン選手
「最後の年なので皆で優勝狙って頑張る」

相撲を極めるため岐阜県から相撲部に入部したキャプテンの島尻選手を中心に、一致団結してのぞみます。

*高岡向陵高校 相撲部 島尻大詩主将
「3年間日々稽古にいそしんできて、お互いを高めてきたので今年は優勝目指して自信をもっていきたい」

そして、エースの水島礼煌選手。

*高岡向陵高校 相撲部 水島礼煌選手
「インターハイでは、自分の形の右四つでしっかり一番一番勝ち切って個人優勝したい」

1年の時には全国選抜大会で5位に入賞。朝乃山と同じ右四つが武器で、3年間で磨きをかけてきた鋭い立ち合いが持ち味です。

*高岡向陵高校 相撲部 中山昌監督
「力・スピード・技術もありバランスの良い選手。そういった面ではここ数年で一番の力を持っているというところまで仕上がってきている」

6月下旬に富山で行われた大相撲・鳴戸部屋の合宿では、幕下の力士を力強く押し出す場面も。

相撲を見ていた鳴戸親方や関取も…。

*鳴戸親方(元大関・琴欧洲)
「良い相撲だよ。きょう一番良い相撲をとったよ。芯がしっかりしているので当たって前に出る相撲が非常に魅力。将来的に大相撲で頑張ってほしい」

*鳴戸部屋・西前頭四枚目 欧勝馬関
「今年(水島選手の)相撲を見たら結構強くなっていたのでより強くなると思う。伸びると思う」

*高岡向陵高校 相撲部 水島礼煌選手
「ちょっと自信がついた」

将来も期待される水島選手ですが、生まれつき重度のぜんそくをかかえていて、今でも毎月通院。

思うように稽古ができない時もありましたが、それでも3年間できる稽古にひたすら前向きに取り組んできました。

*高岡向陵高校 相撲部 水島礼煌選手
「最後のインターハイなので、自分の納得できるような相撲をとって、団体戦も個人戦もしっかり勝ち切ってどちらも優勝したい」

その強さの秘密は、寮での食事にありました。

*高岡向陵高校 相撲部 島尻大詩主将
「レバーを煮込みにします。(レバーは)ビタミンも豊富なので。夏休み中はほぼ毎日、お昼は自分たちでちゃんこを作ります」

*高岡向陵高校 相撲部 中山昌監督
「ひとり4合から5合食べる。4月に米を390キロ買ったが7月までもたなかった」

大きな茶碗で白ご飯をもりもりほおばります。

*高岡向陵高校 相撲部 水島礼煌選手
「4杯~5杯は食べる。入学する前は筋肉がなかったが、今は結構体が大きくなった」「おかわりです」

寮生活で培った屈強な体とチームワークの良さで初の団体日本一を目指します。

*高岡向陵高校 相撲部 水島礼煌選手
「やってやるという気持ちで行く。楽しみ」

8月に鳥取県で行われたインターハイの相撲競技。仲間とともに相撲に打ち込んできた3年間の集大成です。

会場には角界の関係者も視察に訪れます。

1チーム5人で争う団体戦。勝てば3位以内が決まる準々決勝で高岡向陵は金足農業(秋田)と対戦、2対2で大将戦を迎えます。

2年生の井畠選手が勝負強さを発揮、「小手投げ」で勝利し準決勝に進出。

準決勝の相手は数々の力士を輩出してきた名門の鳥取城北。まずは先鋒のエース・水島選手。

水島選手が勝って幸先の良いスタートを切りますが、その後、気迫のある鳥取城北の選手に押し込まれます。

それでも大将戦、2年生の井畠選手が名門を相手にも退かない果敢な相撲をみせました。

結果は2勝3敗。あと一歩及ばず悲願の決勝進出とはなりませんでしたが、それでも2年連続の3位入賞を果たしました。

*高岡向陵高校 相撲部 平河シャアン選手
「日本一はとれなかったが、皆で入賞できて良かった」

*高岡向陵高校 相撲部 島尻大詩主将
「一歩届かず悔しい思いはあるが、一体感があり楽しかった」

*高岡向陵高校 相撲部 水島礼煌選手
「この5人でやるのは最後だったので良かった皆で相撲をとれて良かった」
試合後、水島選手に声をかける高砂親方の姿も。

*高砂親方
「水島選手を始め全員が将来自分の夢を追いかける楽しみがある。インターハイで3位は素晴らしい成績。部員がそろって来年、再来年に向けて楽しみが増えている」

土俵で培ったものを活かし、卒業後はそれぞれの道へ…。3年生の思いは、後輩たちに受け継がれます。

そして10月。

*高岡向陵高校 相撲部 水島礼煌選手
「これで引退。この試合が終わったら」

引退を控えた水島選手。ある悩みを抱えていました。

*高岡向陵高校 相撲部 水島礼煌選手
「大学に行こうか大相撲に行こうかちょっと迷っていて。皆からは大学に行った方がいいんじゃないかと言われていて、でも大相撲の方も誘いが来ていて迷っている」

将来有望な水島選手。未来の関取になるため、これからも相撲を続けます。

近い将来、大相撲の土俵で活躍するのが楽しみです。

近年、強豪として着実に成長してきた高岡向陵相撲部。なかでも水島選手は複数の相撲部屋から入門のオファーがあるなど、今後が非常に楽しみな力士です。

3年生の卒業後の活躍も応援しています。

富山テレビ
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