福岡市でアイドルグループ「HKT48」のスタッフの男性が刃物で刺された事件で、逮捕された容疑者の男がHKTのメンバーを狙った疑いがあることが16日、新たにわかった。

HKTスタッフの胸を包丁で刺した疑い

福岡県糸島市の無職、山口直也容疑者(30)は、14日午後5時ごろ、福岡市中央区地行浜のみずほPayPayドームで、HKTスタッフの男性(44)の胸を包丁で刺し、殺害しようとした疑いで15日、逮捕された。

事件があった現場(福岡市中央区)
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メンバーの“自撮り場所”で襲撃か 前日にも姿

警察によると山口容疑者が男性を襲った1階エレベーターホール周辺の駐車場はHKT48のメンバーがSNS用の“自撮り写真”をよく撮影する場所で、スタッフ側で管理していたという。

ドームに隣接する商業施設にはHKTの劇場と事務所があり、当日はメンバーがオンライン握手会を開いていた。

事件があった現場(福岡市中央区)
事件があった現場(福岡市中央区)

スタッフ側は事件前日の13日にもエレベーターホール付近で山口容疑者の姿を確認していて、襲われた男性は14日午後5時ごろに同僚から「前日の男がエレベーターホールにいる」との連絡を受け現場を訪れた。

被害男性が山口容疑者に「なんでそこにいるんですか。移動してもらっていいですか」と伝えると、山口容疑者はいきなり催涙スプレーを顔面に吹きかけた後、バッグから包丁1本を取り出して襲ったという。

この際、被害男性が山口容疑者に「出禁になる可能性がある」という趣旨の注意をしたとみられることも新たにわかった。

事件があった現場(福岡市中央区)
事件があった現場(福岡市中央区)

包丁2本を押収 1本には血痕

調べに対し山口容疑者は「エレベーターホールにいたら『なんでそこにいるんですか』という趣旨のことを言われたので、刺し殺そうと思い、包丁で胸あたりを刺した」などと話している。

山口容疑者のバッグには包丁や催涙スプレーのほかに殺虫剤が入っていたという。

包丁は刃渡り約20センチのものが2本押収され、このうち1本には血痕があった。

警察はこれが凶器になった疑いがあるとみて詳しく鑑定している。

取材に基づくイメージ
取材に基づくイメージ

コンビニから自ら110番通報 3分19秒の最後に「本人だ」

山口容疑者は事件後、翌日午前2時ごろに現場から約12キロ離れたコンビニエンスストアの公衆電話から自ら110番通報し、当初は「事件を見た」と話していたが、3分19秒の通話の最後に「本人だ」という旨の話をしたため、警察が駆け付け、身柄を確保された。

容疑者の身柄が確保されたコンビニ(ドライブレコーダー映像)
容疑者の身柄が確保されたコンビニ(ドライブレコーダー映像)

山口容疑者はHKTのイベントに月5~6回訪れる常連客で、襲われた男性スタッフは容疑者の顔を知っていたという。

こうした状況から警察は山口容疑者がメンバーを狙っていた可能性もあるとみて、犯行に至った動機の解明を進めている。

事件があった現場(福岡市中央区)
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テレビ西日本
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