「GoTo商店街」スタート

政府の新たなキャンペーン「GoTo商店街」が、19日からスタートした。
期待の一方で、課題も見えてきた。

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19日、東京都で確認された新型コロナウイルスの新規感染者は78人。一日の感染者としては、1週間ぶりに100人を下回った。

一方、全国では、318人の感染者が確認され、2人の死亡が発表されている。

直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が、17日連続で全国ワーストの沖縄県。

19日、玉城知事が緊急会見を行い、感染者が急増している石垣島などの離島について、「社会活動にできるだけ影響を与えない形で、医療を逼迫(ひっぱく)させないよう、県民への協力を求めたい」と呼びかけた。

商店街のイベントに300万円補助

こうした中、「GoToトラベル」、「GoToイート」に続く、政府の新キャンペーン「GoTo商店街」が19日から始まった。

商店街が、にぎわいを取り戻すイベントなどを行う際に、1つの商店街あたり300万円を上限に政府が補助するもので、第1弾として全国34の事業への支援が決まっている。

その1つ、東京・杉並区の佼成会通り商店会で行われていたのは、来週スタートするハロウィーンイベントに向けた打ち合わせ。

佼成会通り商店会・小松崎明子事業副部長:
お菓子は詰め合わせだと難しいので、一つずつという感じにしましょうか。

佼成会通り商店会・小松崎明子事業副部長
佼成会通り商店会・小松崎明子事業副部長

GoTo商店街への参加には、感染防止策の徹底が求められるため、毎年恒例の仮装した子どもたちによる練り歩きは密を避けるため取りやめに。
各店舗の来店者に、お菓子や除菌スプレーを配る形に変更した。

費用として、上限に近いおよそ300万円が補助されるというが、そこにはある課題が。

商店街側がいったん立て替え

佼成会通り商店会・小松崎事業副部長:
先に立て替えをして、事業終了後に入金してもらう形になる。小さい商店会なので、立て替えはかなりハードルが高くて、事業に応募するのに、ちょっとちゅうちょした部分があった。

現在の仕組みでは、商店街側が補助金分をいったん立て替える必要がある。

GoTo商店街を所管する経済産業省は、「全国的に1,000件規模」で実施したいとしているが、第1弾の採択事業がわずか30余りにとどまっている背景には、立て替え払いが影響している可能性も。

こうした現状に、経産省の担当者は「今後は、概算払いできるよう調整している」とし、第2弾の募集からは、ある程度の額を事前に支払えるよう調整しているという。

19日、その第2弾に応募した東京の中野レンガ坂商店街の岡田俊彦会長は、「第2回目から概算払いを行っていただけるかもしれないというお話を聞いているので、これが実現できると、すごく楽だなと思っている」と話した。

経産省は引き続き、GoTo商店街に参加を希望する商店街を募集していて、順次、採択を進めていくことにしている。

このニュースについてマーケティングアナリストの渡辺広明さんに聞いた。

「地域密着」から「地域愛着」へ

三田友梨佳キャスター:
今回のGoTo商店街をどうご覧になりますか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明氏:
私もテレワークで仕事する機会が増えているので、近所の商店街を利用する機会が増えています。
食事をする時はチェーン店をよく利用しますが、ちょっと飽きてしまうので商店街のお店に新しいチャレンジをして選択肢を増やしてほしいと思います。

三田友梨佳キャスター:
今回の取り組みをより有効に活用するためにはどんなことが必要になってきますか?

渡辺広明氏:
今回の取り組みに参加しているのは34ですが、中小企業庁の調べでは、商店街の数は全国に1万4000あります。参加が少ないと思われるかもしれませんが、商店街の専従の事務員がゼロというところが74.8%もあって、すぐに申請できないという理由もあります。

今回のGoTo商店街の大事なポイントというのは、GoToトラベルとか、GoToイートに比べて中長期的に利用できる制度になっています。

短期的であれば、商品券やイベントをするという例もありますが、商品開発やウェブサイトの充実など中長期的に継続的に事業に投資できるので、そこに予算を投資して欲しいと考えます。

三田友梨佳キャスター:
コロナの影響ですが、商店街のニーズというのも関係してくる部分はあるのでしょうか?

渡辺広明氏:
コロナによるテレワークの増加とか、高齢者が社会的に増えてくるという部分がありますので、商店街のニーズが増え始めています。

商店街というのは地域密着でやってきましたが、今後、より地域に根ざして「地域密着」から「地域愛着」に進化していって住民の拠り所になって欲しいと考えます。

三田友梨佳キャスター:
商店街の活性化はその地域の価値を高めることにも繋がるはずですよね。
ただ、キャンペーンに参加する余力さえない商店街もあると思いますので、今後はできるだけ幅広く支援の手が届くことを期待したいと思います。

(「Live News α」10月19日放送分)