2025年11月、サッカー日本代表に初めて選ばれた県勢がいます。それがジュビロ磐田からベルギーに渡った後藤啓介 選手。2026年の北中米W杯を戦う森保ジャパンで、逆転のメンバー入りを目指しています。若きストライカーが挑む熾烈な代表争い、そして夢舞台への想いに迫りました。
後藤啓介 選手:
目指してきた場所なので、本当に幸せな気持ちでしたし、やっとスタートラインに立ったなというふうに思います
2025年11月、念願のA代表デビューを果たした二十歳の若武者・後藤啓介。
磐田で誓った夢の実現、2026年のワールドカップへ。
ロサンゼルス五輪世代を代表する新星にとって、2025年は飛躍の1年となりました。
2023年1月。
当時はまだ、高校2年生。
記者:
トップにあがって自分がどういう青写真を1年目描いていますでしょうか?
後藤啓介 選手(2023年1月):
すいません、青写真ってなんですか?
コメントにあどけなさの残る17歳。
ただ…。
後藤啓介 選手(2023年1月):
自分の夢はワールドカップ優勝なので、その時その時に自分より上の選手を見て、
どんどんその選手たちを超えていけたらなと思っています
当時から夢舞台への譲れない想いを口にしていた彼は、下部組織から昇格したジュビロで先人たちの記録を次々と塗り替えていきます。
クラブ史上最年少ゴール、静岡ダービー最年少得点記録…。
現役の高校生でプロ契約を結び、J2リーグ33試合7ゴール。
海外への扉も自らこじ開けて見せました。
そんな飛ぶ鳥を落とす勢いで海を渡った彼でしたが、2025年の凱旋トークショーで、こんな話も…。
山田大記さん:
日本と海外のサッカーの違いみたいなのってどういうところだと思う?
後藤啓介 選手:
1対1のバトルがすごい激しいっていうのと、レッドカードの数がほんと、多いんで。危険なタックルとか多いし、日本じゃ191cmっていうのはデカいって言われるんですけど、向こうのセンターバックとか普通に195cm以上の選手が現れて
ベルギー1部リーグの強豪・アンデルレヒトへの加入当時は191cm・70kg。
まだ線が細く、主にセカンドチームでプレーしていた彼は、トレーニングによって体重を8kgも増やし、当たり負けしない身体を手に入れました。
たくましさを身に付けたことで、夏には日本人選手の多いベルギー1部のシント=トロイデンに引き抜かれ、10月までに早くも3得点。
すると早速、森保監督の目に留まり、初のA代表を掴みました。
後藤啓介 選手:
自分が一番下手なのはわかってるので、いま自分が持ってるものを全て出し切れるようにっていう準備をして、ジュビロのサポーターや今まで携わってくれた方々もすごい期待してくれていると思うので皆さんの期待に応えられるように頑張りたいと思います
そして、迎えた2025年11月の国際親善試合。
途中出場で短い時間でしたが、限られたチャンスで森保監督も認めるハードワーク。
存在感を放ちました。
歴代最強と謳われる森保ジャパンで、タレント揃いの前線に割って入るのは並大抵のことではありません。
それでも…。
後藤啓介 選手:
サポーターの皆さんも思ってると思うんですけど、小川航基 選手と伊藤洋輝 選手と自分が出れればアメリカとか来てくれるサポーターもいるかなと思います
山田大記さん:
そうだね、ジュビロサポーターめちゃくちゃうれしいよね。3人も代表でワールドカップ出てくれたら
後藤啓介 選手:
そこを3人で出れるように、一番自分が頑張んないといけないっすけど。しっかり狙っていきたいと思います
日本代表ではフィールドプレーヤー最長身。
高さという武器は彼にしかありません。
その十分すぎるポテンシャルがワールドカップで新たな景色を見せてくれることを、多くの地元ファンが心待ちにしています。
国内を代表する数々のストライカーを輩出してきた磐田の誇りを胸に…。
まさにサバイバル。
熾烈な代表争いを制し、逆転の夢舞台を掴みます!