10年ぶりに日本人ダブル受賞となったノーベル賞。
北川進特別教授と坂口志文特別栄誉教授の2人が記者会見し、それぞれ授与されたメダルを披露しました。
ストックホルム市内で行われた記者会見の冒頭で2人が取り出したのは、スウェーデンのグスタフ国王から受け取った記念のメダルです。
「これって裏側が特徴がある。名前書いてあるから、表は一緒でしょ」と言ってメダルの裏側を見せてくれた北川特別教授。
京都大学・北川進特別教授:
裏側に名前書いてあるんです。S・キタガワ。
大阪大学・坂口志文特別栄誉教授:
どこに書いてあるんですか?
京都大学・北川進特別教授:
ここじゃないですか、サカグチ。
大阪大学・坂口志文特別栄誉教授:
あ!ホントだ。本当にそう書いてあります。でも小さすぎて見えない。
一方、ホテルのバルコニーに姿を現したのは、ノーベル平和賞を受賞したベネズエラのマリア・コリナ・マチャド氏です。
実は、野党指導者のマチャド氏はベネズエラ当局の捜査対象となっていて、ノーベル平和賞を受け取るため命がけで出国していたことが明らかになりました。
ノーベル平和賞 マリア・コリナ・マチャド氏:
今日ここにいられるよう命を懸けてくれた全ての方々に感謝を申し上げたい。大変な経験だったが皆さんと共にここに立ち、ベネズエラで起きていることを世界に伝える価値は十分にあると思う。
独裁色を強めるマドゥロ政権による拘束を避けるため、1年以上身を隠していたマチャド氏。
アメリカメディアによりますと、ベネズエラの首都カラカス郊外から海岸の街に向けて脱出を開始。
かつらをかぶって変装し、車で約10時間かけて移動。
その間、軍の検問所10カ所を通過したといいます。
そして、木造の漁船でカリブ海にあるオランダ自治領の島キュラソーへ。
ここからプライベートジェットでアメリカ・メーン州へ。
そして11日、ノーベル平和賞の授賞式が行われるノルウェーのオスロに到着。
変装や木造の漁船での出航など、3日間にわたる映画さながらの出国劇でマチャド氏は約11カ月ぶりに公の場に姿を現したのです。
ノーベル平和賞 マリア・コリナ・マチャド氏:
そして、ベネズエラは自由になる。もちろんそれは価値のあること。そして私が戻れば政権もそうなるだろう。
また、アメリカ政府がオスロまでの渡航を支援したことを明らかにし、帰国については「もちろん戻るリスクは高いかもしれないが、それでも価値はある。そして私は必ずベネズエラに戻るだろう」と語ったマチャド氏。
渡航禁止だったマチャド氏は、帰国すれば逃亡犯とみなされ罪に問われる恐れがあることから、今後の動向は不透明です。