島根県出雲市出身の将棋の福間香奈女流六冠が日本将棋連盟の定める妊娠・出産に関する規定の見直しを求めて要望書を提出したことを、12月9日この時間でお伝えしました。
その福間女流六冠が12月10日に改めて記者会見を開き、制度の改定を訴えました。

大阪市内で開いた記者会見で福間女流六冠は、今回の要望書提出に至った経緯を説明し、日本将棋連盟の現行の制度では妊娠・出産と将棋のキャリアを両立することができないとして制度の見直しを求めました。

福間女流六冠は、2024年12月に第1子を出産する前の10月に挑戦者として臨んだ2つのタイトル戦で、重いつわりなどを理由として日本将棋連盟に対し、対局の延期を求めましたが連盟は認めず、福間女流六冠は「不戦敗」となり、タイトルの道を閉ざされました。

福間香奈女流六冠:
不戦敗の裁定は、本来なら喜ばしいはずの妊娠を素直に喜べず、当時はどうしようもなく苦しかったです。

日本将棋連盟が2025年4月に新たに設けた妊娠・出産にまつわる規定では『タイトル戦の日程に出産予定日の6週間前から産後8週間までの期間が一部でも重なる場合は、対局者を変更する』としていてタイトル保持者の妊娠が、その期間に重なると対局ができず「事実上の不戦敗」となります。

9日送付した要望書で福間女流六冠は現行規定の停止し、妊娠を理由に不戦敗としない事や安心して出産に臨める環境作りなどを求めたということです。

福間香奈女流六冠:
キャリアのピークと妊娠出産の適齢期が被ってしまっている点が非常に難しいところ。対局と妊娠出産、子供を望むことを両立できるような、どちらか一方を諦めなくていい将棋界になってもらえたら。

日本将棋連盟はこの会見を受け、専門家の見解などを参考に従来の規定の調整条項を見直したうえで、より柔軟に当事者の意思に沿った対応が行える仕組みを検討しているとコメントしています。

TSKさんいん中央テレビ
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