ウイスキー好きの人にとってまた一つ楽しみが増えました。富山県砺波市の三郎丸蒸留所に訪問した人が「自分の手で樽から注いだ自分だけの1本」を作るハンドフィルを体験できる施設が誕生しました。
この施設は今年4月に公開された「ブレンダー室・ワークショップルーム」に続く新たな見学スペースとして作られたもので、ウィスキーの樽から直接取り出してボトルに詰める体験ができます。
取り出し方もヴァリンチと呼ばれる銅製のスポイトを使い、本場スコットランドの蒸留所と同じ方法です。
体験用として出されるのは樽詰めされた2種類のウイスキー。香りや味を確かめた後、好きな方を選びます。
*リポート
「こちらの銅製のスポイトを使ってお酒を取り出すんですが、こちらは高岡銅器でできているんです」
ヴァリンチは日本人の手にもなじむサイズに変更して高岡市の銅器メーカーに特注したものです。
指で穴をふさいで引き上げると樽で熟成されていたウィスキーが顔を出します。
「すごくいい香りがします」
瓶詰めしてラベルを張り、世界に一つだけのウィスキーの完成です。
三郎丸蒸留所を運営する若鶴酒造では9日から蒸留所見学とともにハンドフィル体験ができるコースを加え、産業観光の充実を図りたいとしています。
*若鶴酒造社長三郎丸蒸留所 マスターブレンダー 稲垣貴彦さん
「ハンドフィルというのはこのときこの場所でしか体験できないような一期一会(の体験)。ウイスキーを樽からくみ出すのはここでしかできない体験なのでぜひやっていただきたいと思います」
見学ツアー付きのハンドフィル体験は1日2回行われ、一回最大15人までが体験できるということです。
料金はテイスティング3種と自分で入れた700mlのボトル1本などがついて一人3万円となっています。