新潟県の花角知事が柏崎刈羽原発の再稼働について容認する考えを示し、自身の信を問うとした新潟県議会が開会した。代表質問では、花角知事が表明した再稼働容認の判断をめぐり質疑が展開され、野党系会派からは厳しい指摘が相次いだ。

東京電力による“資金拠出”期間は?

12月4日に行われた12月県議会の代表質問。この議会で柏崎刈羽原発の再稼働を容認する判断を示した花角知事の信任・不信任が諮れることになっているが、その方法はまだ決まっていない。

花角知事
花角知事
この記事の画像(5枚)

こうした中、代表質問に臨んだ自民党の高橋直揮県議は、県民の意思を確認する方法として県民に責任や負担が生じないよう県議会を選択したことは極めて正しい選択だったとした上で、「稼働により電力の輸出先である関東圏の経済的メリットは明らかであり、この資金拠出が10年程度の資金拠出で終わるようであれば、東電は本県を軽視していると考えざるを得ないと考えるが、知事の所見を伺います」と、再稼働を見越して東京電力による資金拠出は継続的に行われるべきだと訴えた。

自民党 高橋直揮 県議
自民党 高橋直揮 県議

これに対し、花角知事は「東京電力の小早川社長は、将来についても『当社拠出資金の活用状況なども踏まえながら、引き続き、新潟県の経済活性化に向けてどのような貢献が可能かを検討し、新潟県とも相談しながら進める』と述べており、資金拠出の期間を10年程度に限定しているものではないと認識している」と答えた。

野党系会派からは厳しい指摘

一方、野党系会派からは、知事が再稼働を容認したことや県議会で信を問うとした判断について厳しい指摘が相次いだ。

未来にいがた 大渕健 県議
未来にいがた 大渕健 県議

未来にいがたの大渕健県議は「知事が自ら信任、不信任の判断を議会に求める行為は意味が根本的に異なり、主権者である住民の判断を迂回し、地方自治の本旨、特に住民自治に反すると考える」と訴えた。

また、リベラル新潟の杉井旬県議は「“再稼働の条件は現状で整っている”との問いには60%が『そうは思わない』『どちらかといえばそうは思わない』と答えている。この結果を踏まえれば、県民の意思は再稼働に反対と受け止めるべきと考える」と主張した。

柏崎刈羽原発
柏崎刈羽原発

花角知事は、県議会は県民の代表機関でもあることから住民自治の観点からも県議会に信を問うことは問題ないと説明。

県民の賛否が分かれる中、再稼働容認に至った理由についても「安全対策、防災対策の認知度が高い人の集団は、現状で整っているという問いに肯定的な回答が多いという事実がある。これらの分析から取り組みの周知を継続して行うことで再稼働に対する理解が広まっていくものと判断した」と話した。

知事が下した決断や信の問い方をめぐる議論が本格化している。

NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

新潟の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。