2022年に安倍元総理を手製の銃で撃って殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判はきょう=4日、山上被告の精神鑑定を実施した医師の証人尋問が行われています。
医師は鑑定を経た考察として山上被告が事件を起こした動機について「経済的余裕がないことが、被害者に向かって犯行に及んだ理由として大きかったと思う」と話しました。
そして「精神障害の影響は認められない」と説明しました。
■「家族が一番大事という統一教会が家庭を破壊したことへの怒りは大きかった」
きょう=4日の裁判では、山上被告の精神鑑定をした精神科の医師が出廷し、鑑定から考察した動機などを説明していきました。
法廷で医師は「家族が一番大事という統一教会が、家庭を破壊したことへの山上被告の怒りは大きかった」と指摘。
さらに「被告は家族を窮地に陥らせた統一教会に対して非常な怒りを感じていました。その結果生じた人生に対する失望感を募らせ、兄の死にも責任を感じていました」と述べ、事件に至った背景を説明しました。
■「経済的余裕がないのが、被害者に向かって犯行に及んだ理由として大きかった」
その上で、「そして経済的困窮もあった。被害者(安倍元総理)と統一教会の関連から、被害者を対象にした」と説明しました。
そして「考察の結果」として、「精神障害の影響は認められない。被告人の人柄や本人の置かれた状況が犯行に至らせたということ」と指摘しました。
さらに検察側から「犯行に及んだ理由について経済的逼迫は大きかったと思いますか」
と問われると、「経済的余裕があればもっとちゃんとした目標に向かって頑張っていただろうし、経済的余裕がないのが、被害者に向かって犯行に及んだ理由として大きかったと思います」と説明しました。