スペイン産イベリコ豚を使ったステーキに、ぜいたくに盛り付けられた生ハム。
こうしたスペイン産の豚肉が輸入停止となった影響で、飲食店の間では不安の声が上がっています。

リストランテ・バル・ポルテーニョ 帆足和彦代表:
私も生ハム協会に所属しているんですが、情報を集めている段階ではあるんですが大変見通しがとても悪い状況でして、もう年明けたら何年間か入らなくなるのではないのかなと。

東京・錦糸町にあるスぺイン料理店「リストランテ・バル・ポルテーニョ」の一番の看板商品が、日本生ハム協会に所属している店主が肉の塊から1枚1枚切り出すスペイン産イベリコ豚の生ハムです。

リストランテ・バル・ポルテーニョ 帆足和彦代表:
協会で所属して切磋琢磨(せっさたくま)して勉強してますんで、知識と技術で見た目と味が大きく変わります。

「リストランテ・バル・ポルテーニョ」では、スペイン産のイベリコ豚を使用したメニューを5種類ほど提供。

輸入停止を受け、危機的な状況となっています。

リストランテ・バル・ポルテーニョ 帆足和彦代表:
おそらく代替も見つからないでしょうし、他のインポーター(輸入業者)さんからの供給も難しいと思いますので、1月になくなると思います。困るというか、もうノーアイデアですね。何も思い浮かばない。

アフリカ豚熱の発生により、先週金曜から輸入が一時停止となっているスペインからの豚肉や加工品。

スペインから日本に輸入される豚肉は18%ほどで、国別に見ると3番目に多く、ハムやベーコン、ソーセージなどに加工されています。

スペイン産の生ハムを320円で提供している「サイゼリヤ」では、在庫があるため、すぐに売り切れることはないとした上で、詳細については情報を精査中としています。

専門家によると、このアフリカ豚熱による輸入停止はスペインが初めてではないといいます。

流通ジャーナリスト・西川立一さん:
以前にイタリア産が同じアフリカ豚熱で輸入禁止になってる状況なんですね。(元々は)イタリア産がメインで、スペイン産もその代替品として売られているわけですけど。

実は生ハムを巡っては、4年ほど前にイタリアでもアフリカ豚熱が確認。
今も輸入停止が続いています。

流通ジャーナリストの西川さんは、スペインからの輸入停止も同じように長期化する懸念があり、今後、価格が高騰する可能性があるといいます。

流通ジャーナリスト・西川立一さん:
イタリア産とスペイン産がない状況で需要が逼迫(ひっぱく)するわけですから、やっぱりそれに代わるアメリカ産とかフランス産なんかは価格が上昇する恐れがあります。

生ハムの価格が高騰する可能性について、消費者からは「ハム食べます。最近だとハロウィーンが1カ月前にあったんですけど、そのときにワインを開けたので、おつまみとして生ハムを。食べる量減ったりしちゃうのかなみたいな感じのことは思いました」という声が聞かれました。

業界関係者からは「年末にかけて需要が増える時期なので心配だ」などの声が上がっています。