3年前に起きた、安倍元首相銃撃事件で殺人などの罪に問われている山上徹也被告の裁判。

3日、奈良地裁で開かれた公判に安倍氏の妻・昭恵さんが出廷。
山上被告のいる場所に初めて姿を現しました。

11月13日の公判では昭恵さんが書いた上申書が読まれました。

11月13日に読まれた昭恵さんの上申書:
医者から説明を聞くうちにダメだと悟った。夫は穏やかで笑っているように見えた。手を握って「しんちゃん、しんちゃん」と2回呼びかけた。なぜ夫がここにいないのかと涙を止めることができません。ただ夫に生きていてほしかった。長生きしてほしかった。妻としての思いです。

13回目となった3日の公判で、昭恵さんは代理人弁護士とともに入廷し検察側の座席に着席しました。

昭恵さんが利用した被害者参加制度とは、重大事件の刑事裁判が対象となる制度。
裁判所が許可した場合には被告人に対し直接質問をしたり、求刑・論告などについての意見を述べることができます。

3日、山上被告は証言台に移動した際、昭恵さんが座る検察側に深く一礼。
裁判長にも頭を下げたあとに着席しました。

弁護側は山上被告が2018年に旧統一教会の幹部襲撃を計画した際の感情について質問。

弁護側:
献金したから兄は救われたというような母親の話で、怒りの感情が湧いた?

山上被告:
はい。

弁護側:
母親に?旧統一教会に?

山上被告:
母ですが、理由は旧統一教会自体。

このころ、SNSに母親や旧統一教会に対する恨みとみられる文言を繰り返し投稿した際の心情について聞かれると「旧統一教会に一矢を報いる打撃を与えるのが自分の人生の意味だと思った」と話しました。

検察側による襲撃対象に対する質問には「安倍氏を襲うことが本筋ではない」と答えました。

また検察側の「安倍元首相を狙うことにすっきり納得していたのか、ちょっと違うなと思っていたのか」との質問には「あくまでも旧統一教会が対象。旧統一教会に賛意を示す政治家の最も著名な人で、意味ないと思わないが本筋ではないと思っていた」と答えました。

弁護側、検察側双方からの質問に対し山上被告は、終始目線を下に向けて応じていて、昭恵さんのほうを見ることはありませんでした。

3日は発言の機会がなかった昭恵さん。
4日の公判で山上被告に質問する可能性があるということです。