2022年に安倍元総理を手製の銃で撃って殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判員裁判に、3日、被害者参加制度を利用している安倍元総理の妻・昭恵さんが出廷しました。
被害者参加制度は、事件の被害者や遺族が被告に直接質問したり、被害者としての求刑などができます。
直接法廷で参加することもできるほか、代理人の弁護士が出廷することもでき、これまで安倍昭恵さんが法廷で参加することはありませんでした。
■緊張した面持ちの安倍昭恵さん 山上被告は弁護士と小声で話し合う
安倍昭恵さんは黒のスーツで午後1時過ぎに法廷に入りました。
緊張した面持ちで、検察官の後ろの席に座ってからも、法廷の中を見渡していました。
一方、山上被告は隣の弁護士と小声で話し合っている様子が見られました。
■これまでの裁判では上申書の読み上げ
これまでの裁判では安倍昭恵さんの上申書が読み上げられる場面もありました。
【安倍昭恵さんの上申書より(一部)】
夫の手を握り、耳元で「しんちゃん、しんちゃん」と名前を呼びました。
夫の体はまだあたたかく、手を握り返してくれたような気がしました。
待ってくれていたのだと思いました。
心臓マッサージをしてくれていたスタッフに「もう結構です」と声をかけて午後5時3分に息を引き取りました。
夢の中の感覚で、悲しい・つらいという気持ちすらなく、涙も出ませんでした。
夫の人となりは、真面目で優しい。立場に関係なく誠実で偉そうなことをいうことはなかった。
勉強家、努力家で、経済など様々な勉強をしていました。なかでも海外の演説では、スピーチライターの音声を録音して、自らも録音して繰り返し練習していました。
高齢となった母にいい思い出を作ってあげようと、屋上に出たり散歩をしたり母孝行をしていました。母を残すのは心残りだったと思います。
桜の季節に生きていれば、花見、ドライブに行っていただろうなどなにかにつけて、そういう思いがしばしば頭をよぎります。