豪雪地帯の岩手県西和賀町では10年前から町にとってマイナスイメージだった雪を強みに変えようという「ユキノチカラプロジェクト」に取り組んでいます。
近年は西和賀高校と協働で地元の名物の商品化などを進めていて、11月1日、高校生がプロジェクトの成果を報告しました。
11月1日、西和賀町では湯田町と沢内村の合併20周年と町をあげて取り組んでいるユキノチカラプロジェクトの10周年を記念したシンポジウムが開かれました。
プロジェクトは豪雪地帯である西和賀町にとって暮らしの妨げとなりマイナスイメージだった雪を強みに変えようと2015年に始まりました。
おいしい食材を生み出す雪の力を全面に押し出し、地元事業者と連携して商品開発や広報活動をしたり、観光客向けに雪の中を歩いて氷瀑を見に行くツアーなどを開催しています。
3年前からは新たに西和賀高校と協働で「魅力発見ラボ」をスタート。
生徒が町の魅力を見つけ地域の人と協力しながらアイデアを形にしていく取り組みで、地元企業とコラボし新商品の開発などを行ってきました。
「地方創生と高校魅力化」がテーマのこの日のシンポジウムでは、西和賀町教育委員会の柿崎肇教育長が高校生を育てることが町の発展と存続につながると話しました。
西和賀町教育委員会 柿崎肇教育長
「地域資源が豊かな場所でのさまざまな体験が西和賀を理解し、ここで起業できるかもしれないというところまで育てていかなきゃいけない。今や小規模校が最前線をいっていると理解していただきたい」
その後、西和賀高校の生徒が2025年の魅力発見ラボの活動を報告しました。
このうち西和賀高校3年の立山莉桜さんと吉田楓夏さんは、西和賀の名物「ビスケットの天ぷら」を多くの人に知ってほしいと冷凍商品化に挑戦。
商品の試作やパッケージデザインの制作過程などについて協力してくれた地域の人からコメントをもらいながら発表しました。
シンポジウムが終わると実際に商品を販売し多くの人が買い求めていました。
訪れた人
「お母さんが作るのと高校生が作るのの違いを試してみたいと思って買ってみた。高校生のプレゼンは、とてもしっかりしていて感動した、良かった」
「地域のことを高校生の皆さんが勉強して、商品化とかすごく試行錯誤して、頑張っているのが本当にうれしかった」
10周年を迎えたユキノチカラプロジェクト。
地元の若者の力も加わり町の魅力を発信することで、地域の未来を切りひらいていきます。