男性がスキンケア用品や化粧品を使って行うメンズメイクをSNSで発信するインフルエンサーが新潟に移住した。いまだ地方におけるメンズメイクの浸透度が低い中、人に自信を与えるメンズメイクの魅力を伝えたいと話すインフルエンサーの男性。その思いや日常的に真似しやすいメイクの方法を取材した。

“メンズメイク”を発信するインフルエンサーが新潟に移住

新潟市中央区のオフィスでパソコンに向かう風間大地さん。風間さんは2025年10月に東京から新潟に移住し、企業や学校のWEBページの作成などを行う企業に勤めている。

風間大地さん
風間大地さん
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入社からまだ1カ月ながら、上司からは「覚えも早く、コミュニケーション能力も高い」と評価されている期待の新人だ。

そんな、風間さんのもう一つの顔…それはSNSでメンズメイクを発信するインフルエンサー。

リップに、アイシャドウなど自身の顔にメイクを施していて、韓国アイドルのモノマネメイクや日常的に参考になる毎日メイクを発信している。

SNSでメイクを発信
SNSでメイクを発信

もともと、東京で俳優をしていた風間さんは3年前から男性が日常的に真似できるさりげないメイクの発信を始め、今では海外の視聴者も多いという。

憧れられるような、男女問わずかっこいいと思われるようなコンテンツにすることがモットーだ。

そして、新潟への移住を決めたのはこのSNSでの発信力が買われ、現在勤める会社から誘われたことがきっかけの一つだった。

風間さんの上司は「これまで企業のウェブプロモーションを行う中で、SNS発信の分野が弱かった。風間さんが仲間入りしたことで、今後はお客様のSNSを一緒に運営していくこともできるため楽しみ」と話す。

風間さん自身の“リアルな日常”も発信

また、今後は企業のSNSのプロデュースなどを行うだけでなく風間さん自身が仕事と向き合うリアルな日常を発信。

リアルな日常も発信
リアルな日常も発信

『新潟移住』というアカウントを新たに立ち上げ、出張先での様子などを発信し、自社の採用活動にもつなげていきたい考えだ。

風間さんをモデルに、活字では伝わらない仕事の雰囲気を動画を通して表現し、SNSを利用する若い世代に届けることが狙いだという。

風間さんは「若者の価値観で新しいものをつくっていくことが求められている。自分はSNSの力で、その変化をもたらすことはできると思っているので、若い世代に『この会社、何やっているんだろう』と興味を持ってもらいたい」と意気込んでいた。

メンズメイクの浸透度低い新潟「広まっていないのはもったいない」

こうして、得意とするSNSで仕事のこと、メイクのことを発信する風間さん。一方で新天地・新潟で暮らす中である気付きがあったと言う。

それは新潟におけるメンズメイクの浸透度の低さだ。

「東京にいた時はメイクをしている男性は日常的にいたが、新潟に来てからはあまりメイクをしている男性はいない印象を受けた」と新潟での気付きを語った。

去年、男性化粧品の市場規模は497億円に達し、ここ5年で約2倍に成長。

しかし、全国の男性を対象に行ったアンケートでは年齢を増すごとにメンズメイクへの抵抗感は高くなっていて、特に50代・60代は半数以上が「抵抗感がある」「やや抵抗感がある」と回答している。

その理由として「恥ずかしいから」「メイクは女性がやるものだから」といった声があがっていた。

こうした現状に対し、風間さんは「肌の色が白すぎるとか、顔が歪んで感じるとか、コンプレックスは人それぞれあると思うが、それを消すのでなく、生かすようなメイクをすることによって、自分も良くなれるかもしれないという希望になる。新潟で広まらないのはもったいないと思うので、そこは手助けしていきたい」と前向きな考えを語った。

そこで、風間さんが発信しているメンズメイクを実際に見せてもらった。

メンズメイク実践!“下地クリーム”で肌のトーンを整える

モデルはメイク未経験の男性記者。乾燥肌なところが悩みで、特に冬のシーズンはより肌が乾燥してしまうほか、夜に脂っこいものを食べると翌日肌が荒れてしまうという。

女性に比べ、皮脂が多い男性でも冬の乾燥は大敵だ。

コットンで化粧水を塗り、肌を保湿したあと、あえてファンデーションは使わず、ほんのり色の付いた下地クリームを塗って肌のトーンを整える。

紹介していた下地クリームは、ドラッグストアで1000円前後で買えるもので、乳液や日焼け止めの効果もあるため、面倒な手順が苦手な男性でも安心だという。

塗る場所は、目元や“三角ゾーン”と呼ばれる部分と口角・小鼻・鼻筋だ。

また、顔全体ではなく、気になるポイントにだけ指の腹でトントンと押すように塗ることでよりナチュラルな仕上がりに。

また、カバー力の高いコンシーラーはオレンジ色を選ぶと青ひげやニキビを隠せるためおすすめだ。

“眉毛”は印象を大きく左右!描き方のポイントは?

そして、風間さんが最も大切にしているのが男性の印象を大きく左右するという眉毛。

眉毛の高さが上下で違っていたり、毛が散乱しているだけで目元の印象が悪くなるため、近年は眉毛サロンに通う男性も多いという。

眉毛は、骨格に合わせて余計な部分を剃り落とし、描き足す時は、眉頭はあまり描かないのがポイント。毛が薄く、密度が薄い眉尻の部分を描き足すだけで凜々しい印象に変化した。

最後に唇の血色がよく見えるように少し色の付いたリップを塗れば完成だ。

メイクの仕上がりに大満足「メイクのハードル低くなった」

小鼻の赤みやクマが消えることで肌全体がトーンアップし、健康的な印象になった。モデルと務めた男性記者は「肌全体のトーンが明るくなり、清潔感が増した感じがする」と大満足の様子。

さらに「これまでは、メイクをすると、周りの人から『メイクしているな、きょう気合い入っているな』と思われるのが恥ずかしいというのが正直な感想だったが、これだったらきょう雰囲気違うな』というくらいで、メイクのハードルが低くなった」と自身の価値観が変わったことに驚いていた。

今後も発信に力「新しい発見を色々な人に届けたい」

風間さんは今後、SNSでの発信を通して「メイクは女性がするもの」という先入観を少しでもなくしていけたらと意気込む。

「男女関係なく、メイクの力でコンプレックスを払拭したり、新しい自分の発見、こんな自分もあるんだという発見を、新潟含めて色々な人に届けたい」と自信に満ちた表情で語っていた。

男女関係なくメイクの力で自分らしさを表現できる社会へ…風間さんは、これからも持ち前の発信力で変わりたいと願う人たちの背中を押していく。

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NST新潟総合テレビ
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