大手商社の三菱商事が撤退した秋田県沖の海域の洋上風力発電事業について、国は入札で極端に安い価格の事業者が選ばれないような仕組みを取り入れるなど、事業の実現性を重視する方針を示しました。
三菱商事などで組織する企業連合は、2021年に国が公募した「能代市・三種町・男鹿市沖」と「由利本荘市沖」など、国内3つの海域で洋上風力の発電事業者に選定されました。
しかし、2025年8月に世界的なインフレによる事業費の高騰などを理由に撤退を発表し、国は事業者の再公募を年明けにも実施する方針です。
27日は、秋田県内の海域ごとに国や地元自治体、それに有識者などでつくる協議会が開かれ、国の担当者が事業者の公募制度の見直し案について説明しました。
公募制度の見直しは、事業者が撤退するのを防ぐためで、極端に安い価格で落札できないよう、入札価格の下限を定め、それを下回った場合には失格にすることにした。
また、審査の基準を事業実施の迅速性よりも実現性を重視し、事業が確実に実施されるようにするということです。
由利本荘市 湊貴信市長:
「再公募の点数で地域共生策についての配点もしっかりそれなりのものがあり、期待する」
資源エネルギー庁風力事業推進室 福岡功慶室長:
「我々も秋田の洋上風力事業において地域との共生を非常に重要だと思っている。その観点から公募制度も含め評価されるようにしたい」
協議会では、このほか事業者に対し建設からメンテナンスなど各事業段階で地元港湾を積極的に活用することを盛り込んだ意見をとりまとめました。