瀬戸内海で養殖カキの大量死が発生し不安が広がる中、岡山県内有数の産地、備前市日生町では11月27日、本格的なカキの水揚げが始まりました。他の地域と同様に多くのへい死が確認され、漁協が対応に追われています。

〇引き上げられるカキ
(日生町漁協 中嶋浩貴さん)
「大きいカキが死んで、残った小さいカキも成育が十分ではない。今年は小さい」

27日に本格的な水揚げが始まった備前市日生町。中嶋浩貴さんのカキイカダでは引き上げたカキの約半数が死んでいたということです。

(中嶋浩貴さん)
「「1年もの」は「2年もの」よりもへい死が少ないという(県の)調査結果だったが、実際は4割から5割が死んでいる」

広島県では2025年、養殖カキの大量死が確認され、瀬戸内海一帯にカキの生育状況への不安が広がっています。日生町漁協では約2割から7割の養殖カキがへい死しているということです。

広島と同じく、海水温が高かったことや雨が少なかったことなどが原因とみられています。

(中嶋浩貴さん)
「死んだカキが大きく、残っているカキは小さい。これをどう販売するか悩んでいる」

不漁を受けて近くの直販所では。

(中西源太記者)
「日生漁港のすぐ近くにある直販所です。このように殻付きのカキが売られていますが、不漁の影響で例年よりも店頭に並ぶ数を減らすなどの対応をしています」

日生町では11月16日に殻付きのカキの販売が始まっていますが、多くのカキ漁師が出荷量を少なくしているということです。

(店員は…)
「例年より少し少ない。12月に向けて大きくなればいいと思う」

日生町漁協では年明けには大きく成長したカキがとれるのではと期待しています。

(日生町漁業協同組合 田丸和彦組合長)
「成育不良でも最後にはちゃんとしたカキになっているので、それに期待している。漁師には厳しいが、頑張って乗り切ろうと声を掛けながらやっている」

日生町でのカキの水揚げは2026年4月末まで続くということです。

岡山放送
岡山放送

岡山・香川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。