濁流にのみ込まれた街。
大雨に見舞われた東南アジア各地で、深刻な被害が広がっています。
緊迫の瞬間がカメラに捉えられたのはインドネシア。
大規模な地滑りが発生し、大量の土砂が激しい音を立て、木々や家屋をなぎ倒しながら流れ込んできました。
一瞬にして土砂にのみ込まれた街。
当局などによると、インドネシアでは49人が亡くなり、67人の行方が分かっていません。
東南アジアでは、ベトナムでも11月中旬から記録的大雨となっています。
道路は寸断され、影響は公共インフラにも拡大。
それらの被害額について、ベトナム政府は日本円で530億円を超えると推計しています。
ベトナムではこれまでに98人が死亡し、10人の行方が分からなくなっているということです。
さらにタイでも先週以降、記録的な大雨により大規模な洪水が発生しています。
23日にタイ・ソンクラー県で撮影された、うねるように流れる泥水を捉えた映像では、電柱が倒れるとともに、大きな火花が上がる瞬間が捉えられていました。
25日には“竜巻とみられる突風”が吹き荒れ、家屋の屋根が飛ぶなどの被害が出ました。
各地で行われている被災者の救助活動。
街一面が水につかった場所では、住民が首元まで水につかり、身動きが取れない状態となっていました。
繰り返し救命具を投げ入れるも届かず。
3度目にしてようやく救出されました。
タイ政府によりますと、これまでに33人が死亡し、被災者の総数は270万人。
タイ政府は被災地に「非常事態宣言」を出し、救助活動や医療支援を行っています。
東南アジアの一部地域では、11月末にかけて再び大雨となる恐れがあり、警戒が呼びかけられています。