「コンプライアンス上の問題行為」を理由に日本テレビが番組降板を発表し、その後、芸能活動を無期限休止している元TOKIOの国分太一さん。

26日の会見で国分さんの口から数多く出てきたのが「答え合わせがしたい」という言葉。

これに対し、日本テレビは関係者のプライバシー保護を理由に「答え合わせは難しい」とコメントを出しました。

芸能界の労働問題などに詳しい河西邦剛弁護士は「『答え合わせがしたい』は独りよがりでは」と指摘しました。

■「番組降板の理由について自ら把握できる状態にあるのでは」

【河西邦剛弁護士】「国分さんは6月18日に日本テレビからヒアリングを受けた際に、思い当たるところはご自身でも伝えているんですね。

国分さんは自身の弁護士からも、『それはハラスメントに該当する行為ですよ』と説明を受けたと記者会見でもおっしゃっていました。

そうすると、国分さんご自身も全くではないもののある程度は、番組降板の理由について自ら把握できる状態にあるのではないかなと思います」

【青木源太キャスター】「答え合わせをしたいという主張自体が無理筋ということですか?」

【河西邦剛弁護士】「国分さんの強い希望がそこには表れていると思いますね。(日本テレビの対応が)納得できていないのではないかなと思います。

今回の日本テレビの取り調べのようなヒアリングについて、今までの芸能界の慣行とかやり方とかが全く違うじゃないかと。

急に30年間出演者として扱われてきたのに、急に対応の変化に驚いていて、今でも受け入れてられないからこそ、今回『答え合わせがしたい』という言葉が国分さん自身から12回繰り返されたと思うんですね」

■番組降板までの経緯「法的には問題がない」

国分さんの会見によると、番組降板を告げられるまでの経緯は、制作局長から「担当者が代わるので挨拶がしたい」と呼ばれ、日本テレビへ行くと、その後コンプライアンス局の担当弁護士から突然の聞き取りがあり、降板を告げられたということです。

国分さんに対し、理由を告げずに直ちに降板を告げ、弁明の機会を与えなかった日本テレビの対応について、河西弁護士は「法律的には問題がない」と説明します。

【河西邦剛弁護士】「雇用契約の場合は懲戒解雇に該当するので、弁明の手続きを丁寧に設けたりとか、説明が法律上必要で、それがないと解雇は無効になります。国分さんは出演者なので、この労働契約は適用されない。あくまでもビジネス上のつき合いとして日本テレビがどこまで理由を説明するか、どこまで弁明の手続きを設けるか(判断できる)」

■「出演者側が異議を申し立てる権利はある」

元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭さんは「出演者側が異議を申し立てる権利はある」とし、「日テレ側がコミュニケーションを取っていくしか解決のしようがない」と述べました。

【石戸諭さん】「(国分さんが)何が納得できてないかを考えると、『行為と処分の関係性』がかなり大きいと思う。番組をいきなり『降りてください』と言われるわけですから、これに対してやや納得ができていないところはあるだろうと。納得できていないことに関して、出演者側が意義を申し立てる権利は、僕はあると思います。

あくまでもビジネスの問題になってくるので、取引先に対して『いくらなんでも処分が重過ぎませんか?』と国分さんと取引先である日テレ側がコミュニケーションを取っていくしか解決のしようがないですよね。

(国分さんのハラスメントによる)被害者の人権問題は当然あります。プライバシーの問題もあるが、弁護士も交えながら取り決めをちゃんと結んで、妥当な落としどころを探っていくことになるのでは」

■日テレ側が国分さんに会話の録音を削除するよう求めたことについては「ぎりぎりセーフ」

また、国分さんは会見の中で、日本テレビ側から6月に呼び出された際に、日テレ側との会話をスマートフォンで録音をしようとしたものの、日本テレビ側から録音を「削除するよう」求められたことを話しました。

これについては、法的には問題はないのでしょうか。

【河西邦剛弁護士】「録音については『消すことを要求した』に留めている。強制的に弁護士が録音を止めた場合には問題になるんですけども、あくまでも求めたにすぎないから、ぎりぎりセーフっていうところがあります。

もちろんまた国分さんがヒアリングの際に弁護士を呼んでくださいっていうことは言えるんですけども、国分さんが動揺からそういった申し出をしていなかったということかと思う」

■『時期が来たら国分氏の話を伺いたい』と日テレコメント それはいつなのか?

日本テレビは「国分氏との面会等について門戸を閉ざしているわけではありません」というコメントを出しています。

【青木源太キャスター】「日本テレビのコメントで『時期が来たら国分氏の話を伺いたい』とある。この時期が来たらというのはどう捉えればいいでしょうか?」

【河西邦剛弁護士】「これはいつ来るかわからないですし、日本テレビ側の判断になります。だいぶ先になる可能性があるかということですね。国分さんは人権救済申し立てをしているけれども、結論が出るまで1~2年以上かかる可能性があります。このタイミングまでに日本テレビ側が協議に応じるかどうかということになる」

【青木源太キャスター】「日本テレビのコメントで、『時期が来たら』と書いてますけど、『状況が整えば』という意味でもあると思うんですけれども。どういう状況であれば双方がまた話をできるようになる?」

【河西邦剛弁護士】「日本テレビ側は、『国分さんの代理人弁護士の言動に不信感がある』ということを明言している。なので、国分さんが取り得る手段としては、例えばもう1人窓口の弁護士をつけるといった、いわゆる柔軟策をとっていくことによって、窓を開いていくというところはあり得るかと思います」

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」 2025年11月27日放送)

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