鹿児島市の鹿児島港本港区エリアにおけるまちづくりについて、民間事業者からカフェやグランピング施設の提案があったことが明らかになった。鹿児島サンロイヤルホテルの新築移転予定地を含むエリアの活性化に向けて、県が民間活力の導入を検討している。

民間事業者の参加意向調査結果を公表

県は鹿児島港本港区エリアの北埠頭とウォーターフロントパークでの民間活力導入を検討しており、11月25日の懇談会において、事業参加への意向やイメージする事業内容などを民間事業者から聞き取った調査結果を公表した。

調査によると、北埠頭では4事業者、ウォーターフロントパークでは5事業者が参加を前向きに検討していることが明らかになった。提案された事業内容としては、カフェ、キッチンカー、グランピング施設などが挙げられている。

鹿児島本港区エリアまちづくり懇談会(11月25日)
鹿児島本港区エリアまちづくり懇談会(11月25日)
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現在進行中のトライアル事業も報告

また、北埠頭のしおかぜ通りで実施中のトライアル事業についても報告された。このトライアル事業では、3基のコンテナハウスを設置し、スイーツなどを提供している。この取り組みに対しても、懇談会の参加者から様々な意見が寄せられた。

北埠頭・しおかぜ通り コンテナハウス3基によるトライアル事業
北埠頭・しおかぜ通り コンテナハウス3基によるトライアル事業

関係者からの多様な意見

懇談会では、地域の関係者から多様な意見が出された。

鹿児島商工会議所の川畑孝則副会頭は「北埠頭もウォーターフロントパークも、どちらかというと公共性が強い感じがする。単純に民間活力だけではなくて、どういう形を取ったらいいか掘り下げてほしい」と公共性と民間活力のバランスについての検討を求めた。

鹿児島港運協会の橘木克朗事務局長からは「全体的に見た時に飲食店、レストラン、軽食など、そういうのばかりが書いてあるがお互いに競合する」と、事業の多様性を懸念する声が上がった。

また、県旅客船協会の若松広幸事務局長は「早く北埠頭(旅客ターミナル)の整備をきっちりしてほしい。あそこが活用できなければ人は呼べないのでは」と、基盤整備の優先を訴えた。

サンロイヤルホテル移転計画は協定締結が遅延

鹿児島港本港区エリアでは、鹿児島サンロイヤルホテルが住吉町15番街区に新築移転する計画が進んでいる。ホテルを経営する鹿児島国際観光と県は、10月中に貸付期間や今後の手続きなどを定めた基本協定を結ぶ予定だったが、県によると鹿児島国際観光の社内手続きに時間がかかり、協定締結が遅れているという。県は11月中の基本協定締結を目指している。

住吉町15番街区(鹿児島市)
住吉町15番街区(鹿児島市)

本港区エリア全体の活性化に向けて

鹿児島港本港区エリアの活性化は、地域経済の発展や観光振興に大きく寄与すると期待されている。サンロイヤルホテルの新築移転を核としながら、北埠頭やウォーターフロントパークでの民間活力の導入によって、エリア全体の魅力向上を図る計画だ。

今後は、出された意見を踏まえつつ、公共性と民間活力のバランスを考慮したまちづくりが進められることになる。県は引き続き、多様な事業者の参画を促しながら、鹿児島港本港区エリアの新たな魅力創出に向けた取り組みを進めていくものとみられる。

(動画で見る▶海辺にカフェとグランピング?鹿児島・本港区で民間提案が続々)

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鹿児島テレビ
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